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ー特集ー集落営農を考える(2)

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鳥取県江府町

■検証(3) なぜ集落営農が必要か?
◯20年後、農地は誰が管理しているか?
先ほどのように時代や環境の変化によって作付けが減少している状況を踏まえて、今度は20年後の未来のことを考えます。
2040年の江府町の人口推計では人口は1,873人とされており、2021年7月時点の江府町の人口である2,719人と比較すると846人も減少する見通しです。
このことについて農業分野での影響を考えてみましょう。
町内には約756haの農地があり、これを町民全員で管理すると考えた時、2021年の人口で割ると町民一人当たり約0.27haとなります。これに対して2040年の場合は町民一人当たりが約0.4haと約1.5倍です。
もちろん町民すべてが農地を所有しているわけではありませんし、すべての農地が将来的に耕作できる状態で残っていくわけでもありませんが、感覚的に20年間で農地管理の負担が1.5倍になると考えた時に、「どういった対応が必要になるか」というのは極めて深刻な課題です。
未来では地域の農地を一体誰が管理しているのでしょうか。「現状で農地を管理している農家が何件あり、20年後には何件に減っていくのか」という状況を具体的に考えていくなど、地域を分析することがまずはスタートになると考えます。

◯集落営農のメリット
「未来の農地を誰が管理するのか」という課題に対して、個人ではなく集落で農地を管理するという選択肢があります。それが、「集落営農」です。集落営農には次のようなメリットがあります。

〈メリット〉
・農地を集約して効率化を図ることができる。
・集落営農組織で機械を導入するので、個人で機械更新をする必要がなくなる。
・意欲のある担い手や事業承継の受け皿になる。
・みんなで話したり作業をしたりすることで地域のコミュニティが活発になる。
・作業賃を対価として受取れる。など

例えば、集落営農組織で機械導入することで、「個人の機械更新は不要」となります。その結果、個人で機械更新のための積立や出費をする必要がなくなり、家計への負担も減ります。また、団地の農地を集落営農組織に集約することで、作業効率が上がり、労力軽減や作業時間短縮にもつながります。
このようにまとまることによるスケールメリットで個人や地域全体にメリットが波及していきます。

◯集落営農の形態・特徴
集落営農にはいくつか形態がありますが、ここでは「農事組合法人」と「グループ営農組織(任意組織)」の2つを次の表で比較します。
基本的にはどちらも基本的な部分は同じで、大きな違いは法人化している場合は法人税を払う必要があるというところです。また、法人化した場合のメリットとしては法人名義で農地を借りられることや、機械を保有できることなどが挙げられます。
集落営農の形態は地域ごとで千差万別。基本部分は同じですが、経営や作業形態、作業料金表などは地域の実情にあった手法で取り組むことができます。もし、集落営農を検討されているようであれば、法人化まで進んでいただくことをおすすめします。
広報紙5、6ページでは町内の4つの農事組合法人を紹介します。

◎表2「農事組合法人」と「任意組織」の特徴について

■地域を守る
◯農事組合法人かがやき
経営面積:12.2ha
主な作物:
・水稲
・そば
・ピーマン
概要:平成28年に発足した杉谷集落の農事組合法人。令和元年度からはピーマン栽培を開始。主に女性が野菜を担当され、農事組合法人の理事にも女性が2名就任している。

〈近況について〉
(川上誠代表理事)「令和元年度から始めたピーマン栽培について、今年は約23aの作付けとなり、昨年よりも面積を倍にして取り組んでいます。天候が心配な面もありましたが、組合員のみなさんの頑張りもあり、収穫は順調に進んでいます。」

〈こぼれ話〉
8月3日(火)に、江府町の農家向けのピーマン講習会が開催され、農事組合法人かがやきのほ場や出荷調整風景の見学を行いました。手慣れた手つきでピーマンを箱詰めし、出荷に向けて一生懸命取り組まれていました。

◯農事組合法人すがさき
経営面積:7.4ha
主な作物:
・水稲
・ピーマン
概要:令和2年に発足した洲河崎集落の農事組合法人。主に水稲を作付けし、令和3年度からは農事組合法人かがやきに習い、ピーマン栽培を開始。その他、もち米にも挑戦中。

〈近況について〉
(影山一成代表理事)「設立から2年目になりました。主食用米の取組に加えて収益性の高い野菜としてピーマン栽培を始めました。組合員の皆さんに協力いただきながら、収穫を進めています。また、集落内でもち米の需要があることから、もち米の作付けも実施しています。まだ設立から間もないので、水稲や野菜について日野農業改良普及所に指導をいただきながら進めているところです。」

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