文化 九谷焼イッピン!ここが見どころ!

鑑賞ポイント「~絵画力の魅力~主題に着目!」能美市指定有形文化財(工芸品)より

■九谷庄三(くたにしょうざ)「赤絵金彩雲竜図小鉢(あかえきんさいうんりゅうずこばち)」
寺井の農家生まれの九谷庄三(くたにしょうざ)は若杉窯(わかすぎがま)へ奉公に出され、主工の三田勇次郎(みたゆうじろう)や粟生屋源右衛門(あおやげんうえもん)から色絵技法を学び、さらに宮本屋窯(みやもとやがま)で赤絵の細書きを習得し、若くして色絵付にその才を発揮しました。加賀藩の御用窯である若杉窯から小野窯(おのがま)に移り、庄三は主工格の陶匠として3年ほど従事しました。その後、寺井に戻り独立します。
当作品は、庄三が小野窯に従事していた頃の作品で、小品ではありますが、赤絵の細描(さいびょう)や運筆(うんぴつ)の速度に軽快なリズムが見られます。中央の竜は極限までに細い赤い線で淡い鱗を表現し、周囲の渦雲や周縁は濃い赤を用いて竜を浮き立たせ、さらに金彩仕上げで変化をつけているイッピン!です。(文・学芸員宮山)

九谷庄三 赤絵金彩雲竜図小鉢
サイズ:口径18.4/高6.4cm
作者:九谷庄三
生没年:文化13(1816)~明治16(1883)年
指定日:昭和51(1976)年7月8日
所蔵:KAM能美市九谷焼美術館|五彩館|

■INFO
○「第63回日本現代工芸美術展 石川展能美巡回展」
会場:|五彩館|紫の間・緑の間・ロビーギャラリー
期間:~7月13日(日)

○コレクション展(2)「九谷焼 名工遺作展」
会場:|五彩館|紫の間・緑の間
期間:7月15日(火)~8月3日(日)

○新指定文化財(二代末川泉山作品2件)常設展示室で展示中(|五彩館|)

○九谷焼開窯370周年企画「青手チャレンジ」体験
会場:|体験館|
期間:7月12日(土)~8月11日(月・祝)
※体験料2,000円(本紙22ページ)

情報発信元:KAM能美市九谷焼美術館|五彩館|
入館料:一般430円・75歳以上320円・高校生以下無料
※浅蔵五十吉記念館もあわせて入館できます。

問い合わせ:【電話】58-6100【FAX】58-6086 ※月曜休館