健康 市民病院発 ほのか診察室 208話

■生活リハビリで日常生活をより豊かに…
監修 市民病院 5階病棟

生活リハビリとは、日常生活の動作をリハビリと捉え、食事、排泄、入浴、着替えなど、自分のことを自分で行えるように支援する取り組みです。

◇生活リハビリの効果
(1)身体機能の維持・向上
筋力や関節可動域の維持・向上、歩行機能の維持、日常生活の自立を支援します。

(2)生活の質の向上
今までできなかったことができるようになることで、意欲が湧き、活動的な生活を送れるようになります。

(3)睡眠の質の向上
活動量が増えることで、睡眠の質が向上し、生活サイクルが改善します。

(4)転倒リスクの軽減
筋力やバランス能力の向上により、転倒リスクが軽減できます。

(5)介護負担の軽減
被介護者が自立することで、介護者の負担を軽減できます。

(6)認知機能の維持・向上
生活リハビリは、認知機能の維持、向上にも効果的であると言われています。

(7)精神的な安定
自立した生活を送ることで、自信がつき、精神的な安定にもつながります。

◇生活リハビリを実践してみよう!
食事
・食事の姿勢を整える。(座る、背もたれ、テーブルの高さなど)
・自助具(食器、はし、スプーンなど)を活用して、自分で食べられるようにサポートする。
・食事の量を調整したり、食事形態(刻み食、ペースト食など)を工夫したりする。

排泄
・トイレまでの移動、ズボンの上げ下げ、排泄後の処理など、できることを自分で行う。
・ポータブルトイレや、手すりなど、環境を整える。

入浴
・衣服の着脱、体を洗う、浴槽をまたぐなど、できることは自分で行う。手すりやシャワーチェアなどを活用する。

移動
・歩行器や杖、車いすなどを活用し移動をサポートする。移動距離を短くし、休憩を挟むなど無理のない範囲で行う。

身だしなみ
・洗顔、歯磨き、整髪など、できることは自分で行う。ブラシやタオルなど、使いやすい道具を準備する。

◇効果的に行うポイント
本人の意欲を尊重する
できることを増やし、達成感を味わえるようサポートする。

安全に配慮する
転倒や事故を防ぐ為に環境を整え、介助を適切に行う。

無理のない範囲で行う
疲労や痛みを避けるために休憩を挟んだり、時間や回数を調整したりする。

継続して行う
毎日少しずつでも、生活の中で習慣化する。

専門家の意見を聞く
必要に応じて医師や、理学療法士、作業療法士などの専門家に相談する。
生活リハビリは介護保険サービスや医療サービスを利用して行うこともできます。ケアマネジャーなどに相談してみましょう。

いつまでも住み慣れた環境で自立した生活ができるよう、皆さんも生活リハビリに取り組んでみませんか?

問合せ:市民病院(代表)
【電話】22-2171
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