- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県新城市
- 広報紙名 : 広報しんしろ ほのか 令和7年11月号
■畳具足(たたみぐそく)
畳具足は、戦国時代では足軽や下級武士が着用したものとされており、一見軽装な印象の甲冑ですが、その優れた機能は大変実用性に長けていたものです。
長篠城址史跡保存館で収蔵している畳具足は古戦場付近の民家で所蔵されていた実物で、兜・面具(めんぐ)・胴・佩楯(はいたて)・籠手(こて)・臑当(すねあて)などの一領が揃っています。史料をよく見ると、籠手には布地に細かな鎖が編み込まれています。正面の胴や佩楯には骨牌状(こっぱいじょう)の鉄板を細かな鎖で連結させています。〔写真(1)〕
兜は、上部の鉢の下に7枚の鉄板が段状に取り付けられた「提灯(ちょうちん)兜」と呼ばれるものです。〔写真(2)〕
このような作り込みが施されていることにより、畳具足は文字通り衣類のように折り「たたんで」コンパクトに収納できます。重量も軽いため、持ち運びも簡単にできます。
こういった利点から、大量生産されていたそうですが、現代では、胴もしくは兜のみしか残っていないなど、散逸してしまっているものも多いため、畳具足一領が揃っているものは大変貴重です。
畳具足は、長篠城址史跡保存館で常設展示しています。この作り込みをぜひご観覧ください。
※写真は本紙をご確認ください。
問合せ:長篠城址史跡保存館
【電話】32-0162
