くらし 土居市政 2期目がスタート

「いのち輝く竹田市づくり」に向け、急速に進む人口減少にあらがいながら、今の時代に合わせる竹田市づくりを4年間担ってきた土居昌弘市長が、先の市長選挙で再選されました。
今月号では、2期目の市政運営と基本施策の方針について紹介します。

■はじめに
4月24日から2期目がスタートしました。多くの市民の皆様から信任を賜り、改めてその責任の重さを深く実感しております。市民の皆様から寄せられるご期待に応えるべく、1期目以上に果敢に挑戦してまいります。
今回の選挙期間中、市内全域をくまなく訪問し、多くの市民の皆様から直接声を伺う貴重な機会を得ました。これまでの施策への評価の声とともに、解決が進まなかった課題への厳しいご意見も頂戴しました。こうした声を真摯に受け止め、市政運営により一層邁進していく所存です。

■人口減少社会への挑戦
総務省が発表した人口推計では、日本の人口は前年同月比で過去最大89万8千人の減少と報道されたところですが、この人口減少社会の現実を受け止め、市民の皆様が安心して暮らせるまちづくりを推進するとともに、人生の質の向上を目指し、「いのち輝く竹田市づくり」を掲げ、人口減少に立ち向かう「あらがう」施策と、時代に即した「合わせる」施策を展開してまいります。

■「あらがう」施策
「あらがう」施策として、竹田市の産業のグレードアップを図り、生き生きと働ける地域の創出にこれまで以上に取り組んでまいります。
まず、基幹産業である農林業の振興に力を注ぎます。令和5年度の農業産出額は、238億2千万円に達し、前年より増加。全国順位も69位から65位に上昇しました。しかし、担い手不足が深刻化しているため、新規就農者支援が急務です。「ファーマーズスクール」や「スタートアップファームたけた」をさらに発展させ、果樹生産拡大のための制度充実や高付加価値作物の生産基盤強化を推進します。
加えて、鳥獣被害への対策も重要です。ワイヤーメッシュ柵を活用した被害軽減を進めるほか、個体数減少を目指した包括的施策を展開します。これらの取り組みを通じて農業経営の安定化を図り、農林業のさらなる振興を目指します。
人口減少にあらがうため、若者や移住者の定住促進が不可欠であり、働く場の確保が重要な課題です。竹田市では、地元企業・地域コミュニティ・行政が連携し、「竹田市移住促進社会人インターンシップ」事業を推進。昨年度は、この事業などの施策により、過去10年間で最多となる移住者数を迎え入れました。
さらに企業誘致を通じ、地域経済活性化にも取り組みます。地域資源や人材を活用して新たな雇用を創出し、若者の定住を促進します。中九州横断道路の早期完成を目指して、交通網整備や情報インフラ拡充により企業も進出しやすい環境を整備し、地域産業の多様化や地元企業との連携強化を図りながら、経済基盤を強化いたします。
また、人材不足による事業縮小を回避するため、外国人材の受け入れを促進し、多文化共生社会の実現に向けた取り組みを進めてまいります。
観光分野においては、訪日外国人観光客の増加を踏まえ、竹田市の観光資源を活かした滞在交流型ツーリズムを推進するなど、更なる観光消費額の向上を目指します。

■「合わせる」施策
少子高齢化が進展する中で「合わせる」施策も重要です。地域コミュニティである自治会などの構成員が減少する中、高齢化率が49%を超える現状を踏まえ、一人暮らし世帯の孤立を防ぐための施策を進める必要があります。人口減少に合わせて、戦略的に縮小していかなければなりません。地域コミュニティとの関わりを深める通いの場や生涯学習の機会を充実させ、『人生百年時代』を見据えた生活基盤を整備いたします。
また、地域医療、介護、福祉、子育てなどの包括的な支援体制を充実させ、市民の暮らしを総合的に支える仕組みを構築してまいります。
教育分野では、多様性を尊重し、子どもたちが主体的に学び合える環境を提供することが重要です。義務教育課程をより充実させ、学校再編を進めながら、未来を担う若い世代の成長を支援してまいる所存です。

■時代に合った行財政改革
本年、竹田市は合併して20年の節目を迎えます。合併前に建設された公共施設の経年劣化等による維持管理費や修繕費は、物価上昇に伴い経常経費として財政を圧迫しつつあります。公共施設の資産マネジメントや行財政改革を進める中で、今の時代に合う組織・歳出のあり方を構築していく所存です。持続可能な竹田市づくりには、場合によっては廃止など厳しい決断も必要となることがあります。市民の皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。併せて、DX(デジタル・トランスフォーメーション)をさらに推進し、「書かない窓口」「待たない窓口」「行かない窓口」など、市民サービスの利便性向上に努めてまいります。

■こども診療所
最後に休診しているこども診療所についてです。子育て中のご家庭をはじめ市民の皆様には、長らくご不便とご迷惑をおかけしておりますことに深くお詫び申し上げます。
検討委員会の答申を受け、小児医療の拠点施設として地域医療の役割を安定的・持続的に担えるよう、再開に向けて取り組みを進めてまいります。

■結びに
市民の皆様とともに、第2次竹田市総合計画で掲げた将来像「ひとが輝き未来へつなぐいのち溢れるまち『竹田』」の実現に向け、さまざまな施策に取り組み、竹田市の未来を切り拓いてまいります。さまざまな課題が山積しておりますが、ご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

令和7年4月24日
竹田市長 土居 昌弘