- 発行日 :
- 自治体名 : 大分県竹田市
- 広報紙名 : 広報たけた 2025年10月 NO.247
■キバナアキギリ(シソ科)
丘陵地(きゅうりょうち)や低山地(ていざんち)で、陰地(いんち)の湿った林内(りんない)や林(はやし)のふちに生育(せいいく)する高さ40センチほどの多年草(たねんそう)です。生育環境(かんきょう)がいいと群落(ぐんらく)(ある環境内(ない)に生育している植物群団(しょくぶつぐんだん))をつくります。
対生(たいせい)の葉は鋸歯(きょし)のある三角状(さんかくじょう)ほこ形(がた)で、基部(きぶ)は両側(りょうがわ)にはり出し長い柄(え)があります。葉の長さは10センチ、幅は7センチほどです。
秋の頃(ころ)、十数個(じゅうすうこ)の人が口を開(あ)けたような形(かたち)の径(けい)2センチほどの淡黄色(たんおうしょく)の唇形花(しんけいか)を穂状花序(ほじょうかじょ)につけ、下から次々(つぎつぎ)に咲(さ)かせます。4個(こ)の雄(お)しべのうち2個が完全(かんぜん)に機能(きのう)し、あとの2個は小さく退化(たいか)して機能しない仕組(しく)みになっています。雄しべの長い弓(ゆみ)なりになった花糸(かし)のように見えるのは、葯隔(やくかく)(雄しべの一部分(いちぶぶん)の名称(めいしょう))といい目立(めだ)ちます。
和名の由来(ゆらい)は、秋に黄色でキリに似(に)た花をつけるので黄花秋桐(キバナアキギリ)の名があります。
竹田では、里山(さとやま)の山道沿(やまみちぞ)いの木陰(こかげ)で以前(いぜん)はよく観察されたのですが、里山が荒れたので個体が少(すく)なくなりました。大分県の絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)。花期(かき)は8月から10月です。
阿孫 久見
