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自治体の皆さまへ

おいでよ、ふるさとの森!(2)

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三重県いなべ市

◆ふるさとの森での自然学習
ふるさとの森は、自然教室や藤原小学校の授業で利用されており、子どもたちが自然と触れ合いながら、実際の体験を通じて自然の大切さや魅力を学んでいます。

《自然教室》
▽標本づくりは自然観察の第一歩
三重昆虫談話会 河本実さん
私は講師として、ふるさとの森で蝶の観察や採集、標本作りを教えています。参加者はまず、ふるさとの森を巡りながら、蝶の生態や植物との関係を観察します。例えば、アゲハ蝶は特定のコースを飛ぶ習性があり、見ていると同じ場所に戻ってきます。捕まえようと追い回さなくても、そこで待ち伏せして捕まえてみよう、と生態を学びながら採集します。
こうして捕まえた蝶で標本を作るのですが、ここで大切なことは対象をじっくりと観察すること。「羽の模様はどうだろう」「胴体は意外と毛むくじゃらだな」などと蝶の構造や特徴に気づくことができます。そうすると、今までただの蝶だったのが、「アオスジアゲハ」や「キアゲハ」といった名前を持った存在として認識できるようになります。その蝶の生態や好きな植物など、さまざまな情報が頭に入るようになり、自然の見え方が変わるのを実感できるでしょう。
採集をして標本を作るということは、自然観察の第一歩であり、生物研究の基盤となります。標本は、それが「いつ、どこに、どれだけ存在したか」という証拠となり、将来の研究や環境保護に役立ちます。アマチュアによる標本作りは日本の昆虫学を支えており、それらの記録と標本は図鑑やレッドデータブックの作成に欠かせない基礎データとなっているのです。
蝶の標本作りを通じて昆虫の世界の面白さや奥深さに触れ、そこからさらに身の回りの自然環境に関心を持つ人が増えるとうれしいですね。
「自然科学館ではさまざまな教室を開催しているよ!」

《藤原小学校》
鷲見夏生先生 伊藤紗也子先生
藤原小学校では1、2年生の学習の一環として、ふるさとの森での自然学習「春みつけ」「秋みつけ」を行っています。今は教科書やタブレットを使って動画や詳しい情報を知ることができる時代ですが、子どもたちには自然を肌で感じて体験し、感性を育ててほしいという思いで行っています。
現地を訪れると、「ヤマビル注意!」の看板を見て虫を怖がる子どもたちもいます。ですが、同行する自然学習室の職員さんが、実際に塩を使ってヤマビルを駆除する方法や、安全な触り方などを見せてくれて、子どもたちは「思ったより怖くないかも」と感じたようです。また、珍しい「旅する蝶」がとまる花についても教えてもらうなど、教科書では知り得ないことを体験できて楽しそうでした。子どもたちがこうした経験を通して、自然との関わり方や触れ合う楽しさを感じてくれることがうれしいですね。

〈1、2年生の感想〉
・どんぐりがたくさん落ちていて面白い!
・授業がきっかけで家族と行くようになった!
・カブトムシやセミが見つかったよ!
・ミミズとヒルの違いが分かった!
・見たことない実や栗の実がたくさんあった!
・サルのふんは木の実がいっぱいでびっくり!

藤原小学校5年生 佐藤奨晟さん
佐藤さんは、昨年の第45回児童生徒自然科学作品展で、30種類以上のトンボの標本を作成し、優秀賞を受賞しました。幼いころから昆虫が大好きで、「飛んでいる姿がとてもかっこいいから」と熱心にトンボの採集をしています。この夏休みも、市内を巡りオニヤンマやマルタンヤンマなど数多くのトンボを捕まえました。
「テレビやゲームよりも、自然の中で昆虫を捕まえたり体を動かしたりする方が好き」と話す佐藤さん。虫取りは何が捕まえられるか、季節や天候によって変わるので、その毎回の出会いが楽しいと魅力を語ってくれました。

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