人権について考えるコラムです。
■「正しい情報」が世界を救う -上野図書館-
大げさな話をすると私は本に「救われた」ことがあります。
1980年代、テレビでは「ノストラダムスの大予言」を特集した番組が何度も放送されていました。子どもだった私は「1999年に世界が滅亡する」という話を信じ、不安を感じていました。
しかし、大人になり「ノストラダムスの大予言」を検証した本を読み、その不安は消えました。その本には予言はこじつけた解釈がされており、ブームの大元は虚構や創作が含まれた小説だと書かれていたのです。「なーんだ嘘だったのかー」検証された正しい情報に私は「救われた」のです。そして、同時に誤った情報を信じてしまう怖さに気がつきました。
このような誤った情報を信じてしまうことは人の心を傷つけることに繋がると思います。コロナ禍では誤った情報が不安をあおり、それを鵜う呑のみにした人が感染者や医療従事者、そしてその家族の心を傷つける差別を引き起こしました。 人の心を傷つけたり、差別を引き起こす誤った情報に対処するには、事実や歴史を学び、正しい知識と理解を持って正しい情報を選び取ることが必要だと思います。
特に子どもは「ノストラダムスの大予言」のような非現実的なことも信じてしまいます。世の中には感情をあおるために事実を意図的に隠して誤解を与えようとする情報もあります。偏見や差別をなくしていくためにも、誤った情報に惑わされることなく正しい情報を手に入れましょう。
図書館にはたくさんの本があり、人権週間には人権について特集もしています。正しい情報を選び取る力を身につけるために、図書館などを利用しながら、一人ひとりが学び接することが大切ではないでしょうか。
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