新春対談 子育て世帯と市長が語る伊賀市の未来(2)

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■多文化共生のまち
市長：伊賀市は外国人住民が人口の6・9%を占めていて、多文化共生社会の推進も力を入れているので、お子さんがのびのび育っていっていただけるのではないかと思います。

岡：ベルギーは夫婦別姓なので、夫はリー、私は岡なのですが、子どもの名字は岡で、外国人だからっていじめられたりしないかと不安はありました。ですが伊賀に引っ越してきて、保育園でもインターナショナルなバックグラウンドの子どもたちが溶け込んでいる様子や、仲良く登下校をする小学生の姿を見て、そんな不安はなくなりました。

市長：多様な思いや考え方、生き方をしている人がいますよね。そんな多様性の中で誰もが暮らしやすいまちにしていくことも一つの柱として取り組んでいます。大橋さんのお子さんの小学校でも、外国にルーツのある友達は多いのではないでしょうか。

大橋：たくさんいますね。子どもたちは大山田のバスケットボールチームに所属しているんですけど、そこにもたくさんいてみんなで頑張っています。

市長：いろんな国の人たちが一つの場所に住んで、いろんな世界が見えていくのは、子どもたちにとっても地域にとってもすごくいいことだと思います。

■歴史と文化が薫るにぎわいのまちへ
市長：この会場「BOOKMARKSTORAGE」は市の「いがまち図書室」とDMG森精機(株)さんのスペースに分かれているんですけど、本のラインナップがすごくいいんですよね。親子で来ても楽しいと思いますよ。ぜひ後で回ってください。
また令和6年には忍者体験施設、令和7年から8年にかけて旧上野市庁舎をリノベーションした図書館やホテルなどが入る複合施設ができますから、ぜひ楽しみにしてください。

大橋：亀山や東京の友人が来てもすごく楽しいと思います。岡忍者体験施設のことはベルギーの家族にも伝えてあって、すごく楽しみにしています。

市長：伊賀の歴史や文化は先人からいただいた財産ですから、「私は伊賀で暮らしています」と誇らしく言えるまちにしたいと思っています。松尾芭蕉のふるさとなので、子どもたちは夏休みに必ず俳句を作る宿題があったりして、少し大変な思いをしているかもしれませんね。

大橋：それがうちの子どもたちはすごく楽しんでいるんです。星がきれいだったり、いい風が吹いていたら「俳句作ろう」って。

市長：それはすごいですね。子どもの頃はまた作らなきゃ、嫌だなと思うけど、大人になって、言葉に対する感性や季節感が身に付いていることに気づくんですよね。だから小さいときにいろんな感性を豊かにすることはすごく大切だと思っています。
そんな感性を育む場として、市では美術博物館を建設準備中です。教育は金銭だけでは効果が計れませんが、なくてはならないものです。将来の子どもたちのためにしっかりとした整備や投資をして頑張っていきます。
最後に、市にこういうことをしてほしいと思うことはありますか。

リー：ヨーロッパの街にはメインストリートがあって、週末には小さい子どもからお年寄りまでみんながそこに集まったり、ずっとそこでお喋りできるようなテラスなどの居場所があります。伊賀もぜひにぎわいをテーマにご尽力いただけると嬉しいです。

市長：新しい図書館は居場所を作る図書館ですからぜひ楽しみにしてください。また、まちなかのにぎわいだけでなく、子育て施策はもちろん、行政サービスのオンライン化や公共交通の利用促進など、皆さんの暮らしがより便利で豊かになるよう、さまざまな面で取り組んでいきたいと思います。

■「昇り竜」の一年に
市長：ところで今日は令和6年の漢字を書いてきました。「昇」という字です。令和6年は辰年ですから、市民の皆さんも伊賀市も昇り竜の勢いになるように願いを込めてこの字を書きました。
今日はお二組からいろんなお話を伺いましたが、皆さんには伊賀にいろんな考え方や思い、暮らし方を吹き込んでもらっていることがわかりました。それらと伊賀が持っている可能性を融合してより良い地域にしていけたらと思います。今日はありがとうございました。

リー・岡・大橋：ありがとうございました。

■令和5年伊賀市10大(重大)ニュース
3月：川上ダム建設事業が完了、4月から管理運用を開始
4月：
・市立小中学校の給食無償化を開始
・依那古小・比自岐小・神戸小を統合し「上野南小学校」が開校
・大山田と島ヶ原の両温泉施設を民営化
5月：民法改正後初の「18歳での成人式」を実施
8月：デマンド型予約式の行政バス「島ヶ原ぐるり号」の実証運行が始まる
9月：医療費の窓口負担の無料化を中学生まで拡大
10月：
・「上野天神祭」4年ぶりの通常開催で19万5千人の人出
・伊賀生まれ、伊賀育ちの伊賀牛が初出荷
11月：公民連携でDMG森精機(株)が「SHINDO　YARDS」をオープン