人権について考えるコラムです。
■被災地の避難所に学ぶ -介護高齢福祉課-
元日に発生した能登半島地震の記憶はまだ新しいところだと思います。私は、5月1日から7日まで被災地支援のため輪島市に赴き、避難所の運営支援に携わりました。現地では、地域のいたるところで損壊した家屋がそのままの状態になっており、地震の被害の大きさを実感させられました。また、すでに震災から4カ月が経過していましたが、避難所にはまだ多くの人が避難されており、避難生活が長期化している現実を目の当たりにしました。高齢の避難者が多く、なかには認知症の人や心身に障がいのある人も避難されていました。
このように避難所には多様な背景や事情を持つ人が避難します。すべての人が安全かつ安心して避難生活を送るためには、性別、年齢、病気や障がいの有無などそれぞれの人の背景や事情に配慮した避難所運営が重要となります。具体的な取り組みとして、避難所の設計や配置においてバリアフリーやプライバシーを確保するよう努めること、食事や宗教的なことがらについての配慮などが例に挙げられます。
また、配慮を必要とする人の声を直接避難所運営に反映する仕組みを作ることも重要になります。私が派遣された避難所では、毎朝各地区の代表者と行政の支援職員がミーティングを行うなどして、避難所での課題や改善点を収集し、実際の運営に反映させる取り組みが行われていました。
今回の経験で、災害が起こる前に、避難所には多様な背景や事情を持つ人が避難されることを想定し準備することが必要だと痛感しました。また、一人ひとりが被災者になる可能性があることを自覚し、日頃からの備えを怠らないようにしたいと思います。
◇ご意見などは人権政策課へ
【電話】22-9683【FAX】22-9641【E-mail】jinken-danjo@city.iga.lg.jp
<この記事についてアンケートにご協力ください。>