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[特集]地域おこし協力隊員と市長が語る伊賀市の可能性(1)

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三重県伊賀市

地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域などに住民票を異動し、地域の課題解決や地域振興などの活動を行います。現在、伊賀市では3人の隊員が活動しています。そこで、これまでの活動や今後の目標、また活動を通して感じた伊賀市の魅力や可能性について市長と語っていただきました。

■地域おこし協力隊としての活動
市長:こんにちは。本日はよろしくお願いします。吉田さんは博要地域で地域外から来る人を受け入れる活動をされているのですよね。
吉田:そうです。主なミッションは空き家を利活用した移住と交流人口を増やすための取り組みと、それをSNSで発信することです。今年の1月には地域の人と協力して移住体験施設を設置しました。
市長:素晴らしいですね。現在、取り組んでいることはありますか。
吉田:伊賀には「伊賀米」というブランド米がありますが、その中でも博要地域のお米は伊賀の中でも標高が高く水がきれいな源流地域で作られているのでとてもおいしいんです。名前を「瑞雫(すいな)」と言うのですが、源流の一滴をお米に見立てて博要独自のブランド米として展開できないか、地域の皆さんと話し合っています。自分たちで何かを売っていくというのはとてもハードルが高いと思われていたのですが、例えばオンラインストアで販売するという方法もあるからやってみませんか、ということを提案しています。
市長:「やったらできるやん」ということを、一緒に考えているのですね。伊藤さんは伊賀上野DMOで活動されていますが、どうですか。伊藤:私はもともと歴史が好きで、伊賀が忍者で有名なのは知っていました。伊賀には観光のコンテンツがたくさんあるので、あり過ぎてどこに打ち出したら良いのか、そういうのがぜいたくな悩みだなっていうのを強く感じました。
私は伊賀に来る前はオーストラリアに語学留学をしていて、忍者のイメージをオーストラリアの友人に聞いていました。「忍者」という単語は全世界の人が知っています。アニメや映画などで忍者を題材にしたコンテンツがたくさんあるので、子どもから大人まで忍者自体の知名度は高いです。でも、それが伊賀に結びついていないため、伊賀という地名は知られていないということを来る前から感じていました。
市長:アフターコロナでインバウンドも回復してきて、たくさんの外国人が日本に来ています。忍者が好きな人もたくさんいると思いますが、それほど伊賀には来ていないと感じます。忍者は好きだけど、その聖地が伊賀であるということに重なっていない。私はそこが悔しいと感じています。
伊藤:市長がおっしゃる通りで、外国の人に「忍者を知っていますか」と聞くと、「知っている」と多くの人が答えますが、「じゃあ伊賀は知っていますか」と聞くと、「知らない」という回答になるんです。伊賀が大阪と名古屋の間にあると言うと驚くんですよね。そこで私は、「忍者体験施設とかは全国にたくさんあるけど、忍者のルーツは伊賀であって、そこから派生しているんだよ」と説明しています。

■外から見た伊賀・中から見た伊賀
市長:辻さんはもともと伊賀の出身ですよね。戻ってきて感じた伊賀の印象はどうですか。
辻:大きくは変わっていないという印象です。新しい店などもできていますが、良い意味でそのまま残っているなと感じました。
市長:私も高校生のころは早く出ていきたいと思い東京へ行ったけど、出てみたら伊賀がとても良いところだと思いました。外に出るとふるさとの見方って変わりますよね。私が今、この仕事をしているのも結局はそういうことなのだな、と思います。これまでの活動を通して感じた伊賀に足りないと思うものは何かありますか。
辻:伊賀にはたくさんの魅力があるのに、それを外に伝える力、情報発信ツールを使いこなせていないところだと思います。まだまだできることがたくさんあると思います。
市長:吉田さんは、どうですか。
吉田:実は伊賀に来る前、私は伊賀に何の印象もなかったんです。やはり全国的な認知度がまだ少ないということだと思います。なぜもっと発信をしてこなかったのかな、と思います。
市長:伊賀の人は良く言えば慎み深い、でしゃばらない。反対に、自分を前に出すことがなかなかできないところもあると思います。でも、外国の人は自分を前に出すということがとても上手ですよね。
伊藤:そうですね。例えば海外の企業の広告だと「私たちはあなたの力になります」と言う場合に、「こんなに素晴らしい私たちがあなたを…」というような表現を見かけたことがあります。一見、厚かましく感じますが、でもそのくらい堂々と自分たちのことを前面に出しますよね。まだまだ伊賀は出し切れていないと感じます。
市長:皆さんのお話を聞いていると、やはり情報発信の大切さを強く感じます。辻さんはマーケティングを担当しているので、データに基づいていろいろと分析していると思いますが、分析から見えてくるものをどう観光に活用したら良いと思いますか。辻さんだったらどんなことを提言したいですか。
辻:やはり外に対する情報発信が重要だと言えます。特に海外となるとハードルが高いと感じます。伊藤さんのように英語が堪能な人や、マーケティングに長けた人を呼んできたり、伊賀で人材を育てたりして、活躍できる人を増やしていくことが必要だと思います。
市長:人材育成も重要なことですよね。

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