■当たり前が変わる
最近、小学校4年生の子どもたちにLGBTのお話をした時のことです。
「現在の日本では男の人同士や女の人同士では、結婚はできないんだよ」と言った時、子どもたちから出た言葉は、「なんで?」「好き同士なら結婚していいんじゃない」というものでした。私は、法律で決まっているからとしか言えませんでしたが、この子どもたちの反応は驚きでした。20年以上前では考えられないような反応ではないかと思います。当時はまだLGBTといった言葉は普及していませんでしたし、異性間の恋愛が「当たり前」で、同性間の恋愛はほとんど考えられていなかったからです。まして結婚なんて。
先程書いたように、国において同性婚はまだ認められていませんが、結婚に準ずる形の「パートナーシップ宣誓制度」というものが、日本各地の自治体で導入されています。三重県も2021年に導入しました。
当事者やその協力者の活動により「当たり前」が変わり、人権の問題になってLGBTの人たちが今までになかった権利を手に入れることができるようになったのだと思います。
他にも、「当たり前」だったものが変わっているものがあります。昔は「はだいろ」と呼ばれていたクレヨンや色えんぴつの色の名前。現在では、「うすだいだい」「ペールオレンジ」と呼ばれるようになりました。
これは、世界中の人の肌の色を考えてのことです。このことは、人種や民族のこと、また個々人のことを考えた人権の見方が入っています。ランドセルの色や学校の制服なども、昔当たり前だったものが、今は人権の観点から変わってきています(ランドセルの色はカラフルになってきていますし、制服は選択制にしている学校があります)。
また、これから変わっていく「当たり前」もあると思います。「当たり前」という言葉は、普段何気なく使ったり、思わず出てしまう言葉ですが、この言葉の中には、そこから外れてしまった人を排除する意味が入っていることも、覚えておかなければならないと思います。
子どもたちとの会話の中で、「当たり前」とは何か、人権とは何かを学ばさせてもらった出来事でした。
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