■部落問題を正しく理解しましょう
「寝た子を起こすな」という言葉があります。これは、「やっと静かに収まったところなのに余計な手出しをして事を荒立てるな」のたとえとして使われています。部落問題を考えるときに、「寝た子」とは部落差別を知らない人たちをさし、「起こすな」とはその人たちに何も教えるなという意味なのです。生まれてくる子どもたちは何も知らないから、そっとしておけば自然と差別はなくなるといった考えから「寝た子を起こすな」と言われてきたのです。
寝た子を起こすな論は、部落差別を解消するための教育や啓発は必要ないという考え方ですが、何も知らない人が部落差別に出会わない、すなわち全ての人が差別を絶対にしないということが前提でないと成り立ちません。
しかし、現実はどうでしょうか。インターネット上には今でも差別的な書き込みが絶えることなく、県内でも差別事象が発生しています。これで部落差別はなくなっていると言えるでしょうか。
「寝た子を起こすな」という考え方は、このような矛盾を含みながら今まで受け継がれ、その結果、部落問題を直視せず、差別が放置されてしまうという状況を作り出した間違った考え方なのです。部落差別は無関心では解決できません。みんなが差別をなくす強い気持ちを持ち、人権が尊重される社会の実現をめざしましょう。
[人権啓発推進本部同和部会]
問合せ:桑名・員弁広域連合
【電話】27-5111【FAX】27-5110
※市内の小中学生から応募のあった作品で、入選したものの一部を紹介しています。
(詳細は本誌PDF版31ページをご覧ください。)
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