今回の高虎コラムは、これまでのコラムを読んで「藤堂高虎のことをもっと知りたい!」と思われた皆さんへ、お勧めの本をご紹介します。
一冊目は、高虎サミットin熊野でご講演された歴史小説家・安部龍太郎さんの『下天を謀る』です。乱世の真っただ中に生まれ、天下取りの一翼を担い、泰平の世の礎を築いた高虎。先が見えない戦国の中で、その時々の主君との出会いで才覚を磨き、時代を駆け抜けた高虎の生き様は、現代の私たちの仕事観・世界観にも、刺激的な影響を与えてくれるのではないでしょうか。
二冊目は、三重大学名誉教授の歴史学者・藤田達生さんの新書『藩とは何か「江戸の泰平」はいかに誕生したか』です。藤堂高虎が家康の参謀として辣腕を振るった幕藩国家の誕生過程をたどり、江戸という平和な時代の基盤である藩の仕組みを解説しています。
三冊目は、今村翔吾さんの直木賞受賞作『塞王の楯』です。石垣職人、穴太衆と鉄砲職人、国友衆の対決を描くエンターテインメント小説で、高虎は登場しないものの、戦国を生きる庶民の姿の描写がリアルです。私たちのご先祖様もこんな風に赤木城の石垣づくりに加わったのかなと想像してみると、赤木城も違って見えるかもしれません。
他にも、格好いい苦労人としての高虎像が光る火坂雅志さんの『虎の城』。
高虎の運命の主君を日本史上屈指の名補佐役として着目した堺屋太一さんの『豊臣秀長、ある補佐役の生涯』など、藤堂高虎を深掘りしたい人はぜひ秋の読書に勤しんでみてください。
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