■子どもが子どもでいられる町にヤングケアラーをご存じですか
人権とは、だれもが生まれながらにして持っているかけがえのない権利で、幸せに生きるためになくてはならないものです。
今回は、ヤングケアラーについて、あらためて考えてみましょう。
ヤングケアラーとは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものことです。
令和3年度に国が実施したヤングケアラーの実態調査によると、ほぼ毎日家族の世話をしていると回答したのは中学2年生で2・5%でした。
子どもが家事や家族の世話をすることは、「お手伝い」の一環であればごく普通のことと思われるかもしれません。しかし、ヤングケアラーは本当なら享受できたはずの、勉強に励む時間、部活に打ち込む時間、将来に思いを巡らせる時間、友人とのたわいもない時間といった「子どもとしての時間」を引き換えにして、家事や家族の世話をしています。
また、そのケアの内容やケアに対する責任が重く、本人にとって大きな負担となり、子ども自身の心身や発達に悪影響をおよぼす恐れがあります。
なかには、自分がヤングケアラーであることに気付いていなかったり、「家族のため」という思いでがんばるあまり、ひとりで悩みを抱えてしまったりする人がいます。
大切なのは、家庭の事情を無理に突き止めることではありません。
子どもが信頼して話そうと思える大人が増えること、「いつでも聴くよ」、「だれかに頼ってもいいんだよ」というメッセージを送り続けることが大切です。
まずは周りの人が気づくこと、そして、子どもに寄り添い、支援の輪をつなげることで、「子どもが子どもでいられる町」をみんなでつくっていきませんか。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>