久御山町は今年の10月で70周年 これまでの歴史を振り返る

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■優良な農地が広がる　久御山町の農業
▼ほ場整備から畑作への転換　そして新たな特産品の誕生
久御山町の農業は、木津川・宇治川の氾濫や巨椋池の増水などの水害に耐えながら行われてきましたが、昭和16年の巨椋池干拓事業が完了してからは、広々と広がる水田で水稲作を中心に農業地帯として発展してきました。
昭和48年からのほ場整備事業により、稲作の大幅な省力化を図るとともに、収益性の高い野菜などの畑作への転換を進めてきました。
▽多彩な野菜を生産
転作の定着化により、都市近郊地として優良な野菜産地を形成し、作物はホウレンソウやコマツナなどの軟弱野菜を中心に、九条ネギ、淀ダイコン、キュウリ、トマト、ナスなど多彩な野菜が栽培されています。
▽儲かる農業への転換
特に近年は、集出荷場とカット加工施設を生かして生産量が増加した九条ネギや、安定生産・安定供給を実現した野菜出荷組合によるコマツナやホウレンソウなど、都市近郊の地の利を生かし、収益性の高い作物へ集約が進み、儲かる農業への転換が図られつつあります。
▽新たな特産品の誕生
ここ数年、ホワイトコーンやイチゴの生産量が飛躍的に増大し、各々の農家が売り方を工夫してブランド化を図ることに成功し、町の新しい特産品となりました。令和5年10月には、京のブランド産品として認証を受けた京野菜「金時人参」が、本町が府内唯一のブランド産地として指定を受けるなど、新しい特産品の芽も育ちつつあります。

▼新たな開発やブランド化に支援　これからの農業を支える
これまで伝統的な農業が行われ、繁栄してきた久御山町。時代が変化していく中、これまでの伝統を守り、これからの農業を支えるため、久御山町ではさまざまな支援策を実施しています。

▽久御山ブランド推進事業
袋詰めフィルムやビニ帯の購入費用に補助をしています。また、くみやま夢タワー137のロゴマークを使用した袋詰めフィルムなどの作成費用に補助をし、久御山ブランドの推進を支援しています。
これまで9件の農家が活用し、「久御山ブランド」を推進しています。

▽がんばる農家応援事業
トラクターや農業用機械の購入、先進地視察、研修費用など、農業者が行うさまざまな取り組みに補助をしています。
令和元年からスタートしたこの事業は、これまで74人が利用し、トラクターの更新やスマート技術を活用した農業用機械の導入などに活用されています。

▽特産品開発等支援事業
町内で生産された農産物を使った加工品の開発や新しい品種の導入など、次世代の特産品にチャレンジする農家に補助をしています。
令和5年度は、西村農園がこの事業を活用し、「京むらさきダイコン」を使用したドレッシングを開発。京むらさきダイコンは、西村農園が約20年前に生産を始め、こだわり野菜を作るきっかけとなった野菜で、「規格外の野菜を無駄なく活用したい」という想いに、今回の補助金がきっかけとなり新たな商品が誕生しました。

ドレッシングの鮮やかなピンク色は、京むらさきダイコンの色で、添加物は不使用。生でも食べられる京むらさきダイコンの甘みにガーリックの香りがプラスされ、肉や魚料理にも合います。町内では農産物直売所「旬菜の里」と西村農園で購入可能。

◇今年もやります　ホワイトコーンまつり
令和3年から始まった「ホワイトコーンまつり」。ホワイトコーンは糖度が非常に高く、生でも食べられ、久御山町の人気の特産品です。毎年多くの購入者が訪れ長蛇の列を作ります。
クロスピアくみやまと町内の農業者が協力して実施しており、今年も6～7月の6日間、クロスピア市として開催します(詳細は本紙P7)。
※今月のプレゼントクイズの賞品は、(株)村田農園のパールコーン(ホワイトコーン)です(本紙P28)

久御山町は京野菜ブランドの産地として、府内でトップクラスの野菜の農業産出額を上げ、野菜生産を中心とした認定農業者の数も多く、さらに、売上高1億円を超える農業法人も出てくるなど、経営力の高い農業が展開されてきています。
久御山町の農業を持続的に発展させるため、特産品開発等支援事業や農業収入保険制度の加入促進、安定した農業経営の継続ができるよう「がんばる農家応援事業」、「久御山ブランド推進事業」、「農業経営者研修事業」などの各種農業振興施策を実施し、久御山農産物のブランド化や農地中間管理事業の推進、規模拡大に伴う労働力確保などを推進しています。
今後も、久御山町の農家の所得の安定と地域農業の持続的な発展、町内農業の活性化のため、さまざまな農業振興施策を実施してまいります。
信貴康孝町長

問合せ：産業・環境政策課