◆第32回 日常の景色にあるSDGsを見つけてみる─その27
少しずつ、春の訪れを感じる3月。例年、冬季休業期間を終えた嵯峨野トロッコ列車が動き出し、亀岡駅前のスタジアムは、開幕を迎えたJリーグ・京都サンガの試合を観戦するサポーターでにぎわいます。
観光やスポーツ観戦などで国内外から訪れる人々に、亀岡の素晴らしさが伝わることはとてもうれしいことですが、同時に、観光客を受け入れる地域の環境が維持されたり、文化が尊重されたりすることも必要です。
例えば、新聞やテレビなどのメディアなどを通じて、過度な混雑が住民の生活に影響を与える「オーバーツーリズム」という表現に触れる機会があるように、解決しなければならない問題も発生します。こうした事実にもきちんと向き合いながら、経済、社会、環境の異なる側面のバランスが取れた観光のあり方は「持続可能な観光」と呼ばれ、その実現に向けて、観光庁は「住んでよし、訪れてよし」の観光地域づくりを進めています(注1)。
SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」には、「2030年までに地方の文化や産品を広め、働く場所をつくりだす持続可能な観光業の政策をつくり、実施していく(注2)」も含まれています。その地域が大切にしてきた豊かな自然環境や、伝統文化を未来の世代につなぎ、地域の人が働く場所をつくりだすーー私たちが亀岡の外に旅行する際も、こうした視点を持つことで、訪れる場所の選び方が変わるかもしれません。
注1:観光庁「『持続可能な観光』の取組」【HP】https://www.mlit.go.jp/kankocho/jizokukanou.html
注2:日本ユニセフ協会「SDGs CLUB」(https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/8-economic_growth/)の表現を参考に記載
◇文章…高木 超(たかぎ・こすも)
慶應義塾大学大学院
政策・メディア研究科 特任助教
亀岡市参与(SDGsアドバイザー)
◇本紙写真…江見 彩香(えみ・あやか)
元ファインダー女子広報部
女子学生による亀岡のPR隊“ファインダー女子広報部”(2018-2019)として活動。
現在、プロのフォトグラファーとして奮闘中!
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