■第35回 日常の景色にあるSDGsを見つけてみる─その30
突然ですが「木で作られたもの」は、あなたの周りにどのくらいあるでしょうか?家具や生活雑貨など、身近にたくさんの「木で作られたもの」があるのではないでしょうか。
亀岡市では、市域面積の約7割を山林が占めています(注1)。市は、こうした地域の木材を使って子育て環境を整備する「ウッドスタート宣言」を2021年に行っているほか、身近な公共施設でも地域の木材が利用されています。
また、日本全体では、国土の3分の2を森林が占めており(注2)、二酸化炭素を吸収して地球温暖化を防いだり、雨水を蓄えて洪水を和らげたりとさまざまな面で私たちの生活を守ってくれています。これらの役割をSDGsの視点から見ると、地球温暖化を防ぐことは、目標13「気候変動に具体的な対策を」に関連しますし、洪水を和らげることは、目標11「住み続けられるまちづくりを」に含まれた防災に関わる重要な役割です。
しかし、近年では林業の後継者不足などの理由により、こうした役割を担う森林の管理が十分に行き届かなくなってしまうという問題もあります。その解決に向けて、ドローンをはじめとする先端技術やデータを利用する「スマート林業」という取り組みも進められています。
毎年6月5日は「世界環境デー」です。今月は「木」を切り口に、どのように亀岡の豊かな環境を未来の世代につなぐことができるか、友人や家族と考えてみてはいかがでしょうか。
注1:亀岡市『第3次亀岡市環境基本計画』p.70
注2:林野庁『令和4年度森林・林業白書』p.38
◇文章
高木超(たかぎ・こすも)
慶應義塾大学大学院
政策・メディア研究科特任助教
亀岡市参与(SDGsアドバイザー)
◇本紙写真
江見彩香(えみ・あやか)
元ファインダー女子広報部
女子学生による亀岡のPR隊“ファインダー女子広報部”(2018-2019)として活動。
現在、プロのフォトグラファーとして奮闘中!
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