■京丹後が誇る貴重な文化財を守る事業
京都府指定史跡の湯舟坂2号墳(久美浜町須田)は、6世紀後半の古墳時代後期に築造された丹後を代表する古墳の一つです。1981(昭和56)年、旧久美浜町教育委員会が発掘調査を行い、金銅装双龍環頭大刀を中心に多くの金属製品や土器類などの副葬品が発見されました。
金銅装双龍環頭大刀は、柄の端に環状の飾りを取り付け、柄や鞘を金色に装飾した豪華な大刀です。複雑な文様を施した環状の飾りの中には、玉をくわえた優美な二対の龍が施されており、黄金に輝く大刀として発掘当時から現在に至るまで市内外で広く注目を集めています。
湯舟坂2号墳出土品は、全国的にも極めて貴重な資料群として評価が高く、1983(昭58)年6月6日、一括して国の重要文化財に指定され、現在、京都府立丹後郷土資料館(宮津市国分)に寄託しています。
発掘調査で発見された金属製品は、錆や劣化が進行しないよう調査の翌年に保存処理が施されました。それから約40年が経過した2020(令和2)年、金属製品に接合部が弱くなっているものや一部破損しているものを確認。そのため、市教育委員会では、資料の修理を施すとともにその保管方法についてもより適切なものに改善を行うため、保存修理事業を行っています。
保存修理事業は、令和4年度から令和7年度までの4カ年計画で実施しており、現在は2年目を終えようとしているところです。修理後は、市において活用を図れるように調整しながら、引き続き修理を進めていきます。
なお、この事業は文化庁の「重要文化財(建造物・美術工芸品)修理、防災、公開活用事業」を活用して実施しています。
問合せ:文化財保存活用課
【電話】0772-69-0640
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