市は、市内に立地する同志社大学・同志社女子大学や、近隣にある京都府立大学・摂南大学と、「知の拠点」を生かしたさまざまな取り組みを展開しています。今号では、市民とのつながりの一部を紹介します。
■01〔and同志社女子大学〕小学生がスポーツ・工作体験 19回目を迎えた大学生企画「こどパ」
8月22日、同志社女子大学京田辺キャンパスでは、こどもと学生が一緒にスポーツや工作を楽しみながら、夏休み最後の思い出をつくりました。
保育士や幼稚園教諭など、こどもと関わる仕事を目指す同志社女子大学現代社会学部現代こども学科の学生が、主体的に企画・実行する夏の恒例行事「こどパ」は、今年で19回目を迎えました。小学校協力のもと募集を行ったところ、市内から300人を超える応募があり、抽選の結果、135人の小学生が参加しました。
朝から夕方まで、一緒にイベントや昼食を楽しんだこどもたちと学生の間には絆が生まれ、解散時には寂しさのあまり学生に抱きつき、涙を見せるこどもの姿もありました。充実感と安堵の表情を見せる学生と、別れを惜しみながらも満足げなこどもたちの様子が印象的でした。
◆〔Interview〕人間関係や社会のルールも学べる企画に
同志社女子大学 現代社会学部 現代こども学科3年生 こどパ19th実行委員長 外山礼華さん
「アイドルの「推し活」が趣味で、よくライブを見に行きます。」
◇「こどパ」のコンセプトや目的を教えてください
「こどパ」とは、「こども」と「playful」「passion」「party」の頭文字を合わせた造語で、こどもが情熱を持って夢中で楽しめるほか、人間関係や社会のルールなどの気付きや学びが得られるイベントをコンセプトとしています。また、将来、こどもと関わる仕事を目指す学生にとっては、授業で学んだことを実践する貴重な場にもなっています。
◇運営で心掛けたことは
私が1年生の時、先輩の前で意見することをためらうことがありました。そのため、学年の垣根を越えて自由活発に意見が言い合える風通しの良い空気づくりを目指し、誰にでもフランクに話しかけることを心掛けていました。
◇企画で工夫したことは
グループを組む際に、校区外の子同士の交流が図れるように、できるだけ校区を分散させました。1日行動を共にする中で、初対面の子同士が徐々に絆を深め、人間関係を築いていく様子が見られてうれしかったです。
◇苦労したことは
企画内容は順調に決まった訳ではなく、二転三転、紆余曲折がありました。他の企画チームに意見を求めたり、教員へのプレゼンテーションでアドバイスいただいたりして、軌道修正しながら企画を固めていきましたが、没になったものも数多くあります。また、イベントは大学キャンパスを広く使用するため、教員だけでなく、大学職員との調整・交渉が大変でした。
いろんな立場のたくさんの大人や、多くの学生と関わった経験は、自分を成長させてくれたと実感しています。
■02〔and京都府立大学〕小学生が食品ロスを学ぶ 食材を皮ごと使ってクッキング
昨年11月、京都府立大学・食保健学科(栄養科学科)の教員と学生らは、研究の一環として、こどもたちに食品ロス削減の意識を高めてもらうため「クッキングワークショップ」を開きました。メニューは学生が考案し、食品の中でも廃棄量が多いとされる牛乳を多く使ったトマトクリームシチューと、ニンジンを皮ごと使うサンドイッチを作りました。参加した小学生22人は保護者と協力しながら調理することで、食材を無駄なく使う方法を考えるきっかけとしました。また、家庭でよく捨てられている食品をクイズ形式で学ぶなど、楽しみながら食品ロスへの理解を深めました。
完成した料理を食べたこどもたちからは、「おいしい」「また家でも作りたい」と喜びの声があがりました。
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