ハロー!CIR(国際交流員)のシャベズ・莉愛(りあ)(26)です。
私の母国アメリカの文化・習慣について毎月連載しています。
『母と弟が日本に遊びに来ており、東京・広島・兵庫・京都などさまざまなスポットを一緒に観光しました。広島では厳島神社や原爆ドームを訪れました。天気が良く、空・海の青と鳥居の赤のコントラストがとてもきれいでした。』
■シリーズ(34)アメリカの選挙シーズン
今年は4年に一度のアメリカ大統領選挙が行われる年で、投開票は11月5日に予定されています。近年、アメリカの政治は緊張状態にあり、国民の関心が高まっているため、投票率も増加傾向にあります。今号は、アメリカの選挙制度について紹介します。
◇自治体の役割
アメリカの各州は、教育・自動車・道路・医療・防犯など多くの分野で独自に法律を制定する権利を持っています。そのため、州を移動するとまるで別の国に行ったかのように感じることがあります。
また、州を構成する「郡」は地域管理・裁判所・選挙・結婚許可などを管轄し、郡内の市町村と協力して業務を行っています。州と郡がほとんどの行政サービスを提供しているため、市町村の業務は警察や施設の管理などごく一部に限られています。その結果、市町村の職員数は少なく、人口10万人の都市でも職員は150人以下しかいないことが一般的です。私の故郷であるハンコック郡マックコーズビル町の人口は約1万人強ですが、町職員数は20人ほどです。
◇地域の選挙
郡と市町村にはそれぞれ議会と首長が設置されています。私の故郷マックコーズビル町には、郡議員が7人、町議員が5人います。また、各州には州議会と連邦議会の議員が存在し、インディアナ州の連邦議会議員は上院議員2人、下院議員9人で構成されています。今回の大統領選挙では、町・郡議員やインディアナ州の知事・副知事の選挙に加え、上・下院議員の一部改選も同時に行われます。
◇大統領選挙
アメリカには、民主党と共和党という2つの主要な政党があります。各政党は、選挙の前に大統領選に立候補する党の代表を選ぶ予備選挙を行います。また、他の政党や無所属の候補者も大統領選に立候補することができますが、これらの候補者は支持率が低くなる傾向があります。
アメリカでは、有権者が各州で選挙人を選び、その選挙人が正副大統領を選ぶ間接選挙「選挙人投票」を採用しています。大統領になるためには、全米で538人いる選挙人のうち、過半数となる270票以上を獲得する必要があります。ただし、各州によって選挙人の数や選び方は異なります。例えば、私の故郷があるインディアナ州では11票の選挙人票がありますが、全て1つの政党の代表に投じなければならないという「勝者総取り方式」が採用されています。また、州によっては、有権者の投票数に比例して各党の選挙人を割り当てる方式や、自分の政党の候補者に投じる義務がない州も存在します。そのため、全米の総得票数が最も多い候補者でも、選挙人の票が少ないために敗北することがあります。実際に、共和党のトランプ氏が大統領に決まった2016年の選挙では、このような事例が発生しました。
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