■2億6611万円の黒字決算
令和4年度決算が9月議会で認定されました。
一般会計決算は、歳入41億435万円、歳出37億3031万円となり、令和5年度への繰越財源を差し引いた実質収支は2億6611万円の黒字となりました。
◆一般会計歳入総額 41億435万円
歳入総額は、前年度より2億3912万円(6.2%)増の41億435万円となりました。
歳入は、町税、使用料など自ら徴収する「自主財源」と、地方交付税、国・府支出金、町債などの「依存財源」に大別することができます。
増額の主なものは、再エネ活用型EV充電設備事業の実施による国庫補助金の増額、歳入総額の5割弱を占める地方交付税が国税収入の増額などにより、約2億2986万円の増額となりました。
自主財源比率は、前年度と同じの22.8%で、歳入総額の77.2%が依存財源であることは、国などの施策の動向に当町の財政運営が大きく影響されることを意味し、財政状況は依然として厳しい状況です。
※数値については表示単位ごとに四捨五入しているため、合計が合わない場合があります。
◇その他
〔財産収入〕
財産貸付、基金預金利子
〔寄附金〕
一般・指定寄附
〔繰入金〕
他会計・基金繰入金
〔繰越金〕
前年度からの繰越金
〔諸収入〕
歳計預金利子
印刷代などの雑入
◆令和4年度会計別 決算の状況
※数値については表示単位未満を四捨五入しているため、収支差引が一致しない場合があります。
◆一般会計歳出総額 37億3,031万円
歳出総額は、前年度よりも3億1647万円(9.3%)増の37億3031万円となりました。
令和4年度の特徴としましては、物価高騰対策として、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金、地域振興券、燃料購入券発行事業、電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付事業の実施、電気自動車を活用した伊根町予約型乗合交通(通称名:いねタク)の運行を開始するとともに、太陽光発電設備と蓄電池設備を組み合わせた再エネ活用型EV充電設備を整備しました。
歳出は「目的別」と「性質別」の2つの見方でみることができます。
性質別は、必ず支出しなければならない「義務的経費」と、自由に支出することができる「任意的経費」に大別することができます。
義務的経費は、公債費等の減額により、約1億2千万円の減額となりました。任意的経費は、町道の強靭化対策工事、再エネ活用型EV充電設備の整備、伊根・本庄小学校長寿命化工事の実施により、約4億4千万円の増額となりました。
目的別では、総務費が「再エネ活用型EV充電設備」の整備の実施により約1億5千万円の増、土木費が「町道の強靭化対策工事」の実施により約2億円の増、教育費が「伊根・本庄小学校長寿命化工事」の実施により、約5千万円の増となりました。
▽その他
維持補修費、貸付金など
▽繰出金
診療所、簡易水道、下水道事業などの特別会計への繰出金
▽積立金
基金への積立金(貯金)
▽補助費等
宮津与謝消防組合への負担金、各種団体への補助金など
▽物件費
光熱水費、委託料、電話・郵便料など
▽投資的経費
道路、漁港施設などの建設事業費、災害復旧費など
▽扶助費
医療給付費、老人ホーム入所措置費、児童手当など
▽公債費
借金の返済金
▽人件費
職員給与、町長など三役給与、議員報酬、各種委員報酬など
○公債費
過去に道路、漁港、学校等の施設整備を行った時に町債を発行したものを、償還(返済)する費用のことです。
◆―町の財政状況―財政健全化法に基づく指標を公表
※町の財政状況を表すものとして、財政健全化法に基づく5つの指標の公表があります。5つの指標にはそれぞれ基準があり、その基準を超える指標が一つでもある場合には早期に財政の健全化を図る必要があります。
◇令和4年度も町財政は健全
令和4年度決算に基づく、実質赤字、連結実質赤字、将来負担、資金不足の4つの比率は昨年度に引き続き、比率として表れず健全性が保たれました。
実質公債費比率は0.1ポイント悪化しました。令和4年度は令和2〜令和4年度の単年度の数値の3か年平均で求めます。令和元年度と令和4年度を比較すると、一般会計の公債費が増額したことにより数値が上昇(悪化)しました。
近年の宮津与謝クリーンセンター整備事業、伊根中学校改築事業、観光関連施設整備事業や生活基盤整備事業(町道の強靭化対策工事)など大型事業を実施し町債を多く発行したことで、今後3年間公債費の増額が見込まれるため、より一層の財政の健全化を図る必要があります。
しかしながら、国は財政支出を抑制し、持続可能な経済財政運営を進めており、今後、国からの交付金などの減額が予測されます。
そのため、あらゆる動向を注視したうえで、これからも中長期的な視点で、計画的な財政運営を行います。
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