人の何気ない言動により、傷ついたり行動を制限されたりした経験はありませんか?今号では、性別による「無意識の偏見・思い込み」について特集します。まずは心の「色眼鏡」を意識することからはじめませんか。
・私の「ふつう」はあの人の「ふつう」と違うのかも…
一人ひとりがイキイキと暮らせるためには、一人ひとりが「ふつう」を疑い、違いを認め合うことが、大事な第一歩です。
◆豆知識
性別・国籍・人種等の社会的属性に対する「無意識の偏見・思い込み」のことを「アンコンシャス・バイアス」と言います。これは、過去の経験や日々接する情報、周囲の意見などから無意識のうちに形成されます。つまり、置かれている環境等から、人それぞれ違うと言えます。必ずしも「全員にとって正しいもの」「実態に即したもの」ではないという意識を持って行動しないと、誰かを傷つけたり、他人だけでなく自分の可能性も狭めたり等、様々な悪影響が出てしまいます。
■あなたにも経験ありませんか?性別による「無意識の偏見・思い込み」の例
[「ふつう」って何?]
▽男の子なのにピンク?「女の子みたい」っていじめられるんちゃう?
性別に関係なく、自分の好きな色・デザインを選びたいよな…
▽なんでパパが育休?パパは仕事じゃないの?ママは何してんの?
「男性は仕事、女性は家庭」と決めつけてたなぁ…
▽男の子はやんちゃなくらいがちょうど良いと思うで
性別に関係なく、活発な性格はそれぞれの個性やな…
▽女の子やのに…そんなに勉強頑張らんでもええやん
目標に向かって努力するのは、性別関係ないな。本人がやる気なんやし応援しよ!
▽女性ならではの細やかな気配りを感じる商品やわ
女性は気配りして当然?いやいや違うな。
問合せ:男女共同参画課
【電話】39-9377
■専門家に聞きました
▼日本は男女平等?
表面上は平等に見えても、まだ平等とは言えません。例えば日本の育児休暇制度は世界でもトップクラスに充実しており、もちろん男性も休暇を取得出来ます。しかし、「男性は外で働き、女性は家事育児を担う」という社会の固定観念や、これは男女共に言えることですが、復帰後のキャリア形成への悪影響の心配等、男性にとって育児休暇を取得しづらい環境と言えます。
また、教育の部門では男女の差は無くなっていると言われていますが、偏見・思い込み等、見えないところでの格差や差別は存在しています。性別にかかわらず、それぞれが自分の能力を最大限に発揮しチャレンジ出来る社会になればいいと思います。
▼互いの違いを認め合う
「無意識の偏見・思い込み」の問題の根底には、社会の中で一人ひとりが個人として尊重されていないということがあるのでは。人として尊重された経験が乏しいと、他人を尊重することが難しくなります。
「これが普通、当たり前」として、自分の価値観に当てはまらないものを排除し批判するのではなく、互いの違いを認め合い、自分のことも相手のことも、個人として尊重することが大切です。
▼ジェンダー・ギャップ指数2023の結果
世界経済フォーラムが、経済、教育、保健、政治の分野毎に各使用データをウェイト付けしてジェンダー・ギャップ指数を算出している。0が完全不平等、1が完全平等を表している。
[日本は146カ国中125位!?「教育」と「健康」の値は世界トップクラスなのに、「政治」と「経済」の値が低いな…]
※146か国中 (2023.6.21発表)
▽経済参画(0.561)
・労働参加率の男女比
・同一労働における賃金の男女格差
・管理的職業従事者の男女比 等
▽教育(0.997)
・識字率の男女比
・初等~高等教育就学率の男女比
▽健康(0.973)
・出生児性比(男女の産み分け等の有無等)
・健康寿命の男女比(性別に関係なく検診・医療等が受けられているか等)
▽政治参画(0.057)
・国会議員の男女比
・閣僚の男女比
・最近50年における行政府の長の在任年数の男女比
※()内は日本の数値
出所:内閣府男女共同参画局ホームページより抜粋(加工:宇治市)
※詳しくは本紙をごらんください。
◆「男性は仕事」「女性は家事育児」?
私が平成23年に起業した当時と比較して、男性の家事に対する意識は変化し、今では男性が家事をするのは当たり前の時代。しかし、家事プラス育児となると、まだ女性の負担の方が大きいのが現状で、それは昔からの固定観念が影響していると考えます。
◆お互いゼロから話し合う
夫婦の家事育児の分担は、必ずしも半分ずつである必要はありません。大切なのはお互いが「納得している」ことです。「男だから…」「女だから…」という決めつけを無くし、また「うちの家ではこうしていた」という家族観も一度横に置いて、話し合うことが大切です。
◆三木さんを講師に迎えて「家事シェア」講座開催!
日時:2月3日(土)午前10時~正午
場所:コミュニティワークこはた館
※詳しくは市政だより12月1日号に掲載。
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