■01 [お茶][歴史]宇治史探検(166)
知る人ぞ知る宇治の豆知識をお話しします。
◇白川金色院(しらかわこんじきいん)の栄枯盛衰
宇治の白川の谷に、かつて金色院の通称で知られる文殊堂をはじめ、多くの寺院が営まれていました。拝殿が重要文化財になっている白山神社は、元々金色院の鎮守社(ちんじゅしゃ※1)であり、参道入口に建つ門も本来は金色院の惣門(そうもん※2)でした。この寺の創建者は、平等院を建てた藤原頼通の娘・寛子であると伝えられています。しかし、この伝承は室町時代中頃の寛正4(一四六三)年、(平安時代後期から三六〇年もあとに書かれた「白川別所金色院勧進状」に基づいているため、建立者が果たして寛子であったか否か、断定はできていません。
また、「白川金色院」という名称は、先ほどの歓進状(かんじんじょう※3)のつくられた室町中期以前の記録には全く見られません。代わりに「白川別所」や「宇治白川別所」と記載されています。この白川別所は室町時代中頃に火事により伽藍(がらん※4)が跡形もなく焼けてしまったといいます。そしてこの復興のために作成されたのが、先ほどの勧進状です。勧進により復興された白川金色院は「白川十六坊」と呼ばれるように多くの坊(※5)が建てられた大規模な寺だったようです。
しかし、この金色院も江戸時代を迎えると徐々に衰退をはじめ、江戸中期には3つの坊を残すのみとなっていました。そして明治の廃仏毀釈によって完全に廃寺となり、遺跡として白川の自然の中に眠ることになったのです。
※1…特定の建造物などを守護する神を祀る社
※2…寺などの建物の敷地の外郭に構える正面の門
※3…堂塔の建立・修理等のため、人々から寄付を募るためにその趣旨等を書付けたもの
※4…僧侶が集まり修行する清浄な場所
※5…僧の住居
問合せ:歴史まちづくり推進課
【電話】21・1602
■02 こんなときどうする?
◇「鍵のレスキュー商法に注意!!」
Q:家の鍵を紛失したため、業者に解錠作業を依頼した。見積もりでは数千円だったが、特殊な鍵だという理由で、作業後に8万円を請求された。払わなければならないか。
A:請求額に納得出来ない場合、後日納得した金額で支払う意思を伝え、その場での支払いを断りましょう。見積もりのために呼んだ事業者とその場で契約した場合や、広告等の表示額と実際の請求額が大きく異なる場合には、支払った後でもクーリング・オフ出来る可能性があります。
ただし、鍵の種類や状態によっては、広告に記載された料金以上の請求となる場合があります。広告の金額表示は鵜呑みにしないようにしましょう。
~鍵のトラブルを防ぐために~
・家族で合鍵の保管方法を共有。
・鍵の種類、製品番号、メーカーとその連絡先等を把握。
・賃貸住宅の場合、大家や管理会社に紛失時の対応を確認。
■03 共生[なるほど]ろう文化
◆手話言語の魅力
◇「古池や蛙飛びこむ水の音」松尾芭蕉
この句をよんでいろいろな情景がイメージできます。例えばこの句を手話で伝えるには、手話の単語を集めて「古い」「池」「飛び込む」「水」「音」「聞こえる」と伝えることもできますが、もっと情景描写を入れて伝えるとどうなるでしょうか?
シーンと静まり返った奥深い森の池に蛙が飛び込む。ろう者にとって、「水の音」はどのような音なのか…(ぼちゃん?ぽちゃん?ドボン?)聞こえません。
では、その様子をどのように伝えるか?音は聞こえないけれど、池の水面に広がっていく水紋を表し、目で見ることができるシーンを想像して表現する。これは視覚言語としての手話の魅力の一つです。ろう者の手話表現は時として映画の1シーンを見ているような映像化された、魅力的なものがあります。
問合せ:障害福祉課
【電話】21-0419【FAX】22-7117
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