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自治体の皆さまへ

─あなたとあなたの大切な人の命を守るために─ 能登半島地震に学ぶ(1)

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京都府福知山市

能登半島地震でお亡くなりになった皆さまのご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、被災された皆さまにお見舞いを申し上げます

■南海トラフだけじゃない!
「三峠(みとけ)断層」の脅威
三峠断層の活動により、能登半島地震と同じ震度7の地震が起こると…

市民の死者数(想定):720人
約100人に1人が死亡

市内の全壊する建物(想定):21,350棟
約3棟に1棟が全壊
京都府地震被害想定調査結果(平成20年)
三峠断層以外の断層の被害はハザードマップから(音声版・多言語版もあります)

令和6年1月1日16時10分、石川県能登半島地方で最大震度7の地震が発生。8月1日現在で石川県内で318人の尊い命が失われ、8万359棟の建物が被害を受けました。
福知山でいつかこのような地震が起こったら。その〝いつか〟は今かもしれません。今月号では、被災地で災害支援をした人々が感じたこと、自分でできる地震対策を紹介します。

■能登半島地震に学ぶ 救助隊到着までの自助・共助
消防署の川口富生(かわぐちとみお)署長は、本市消防の能登半島地震での活動を振り返り、こう語ります。
「消防庁長官からの出動指示を受け、1月1日の20時45分に2隊6名を緊急消防援助隊として現地へ向かわせました。能登半島先端の珠洲市までは通常5時間ほどで到着しますが、道路の寸断などで49時間かかり、救助隊が現地に到着したのは1月3日の夜でした。
助かった被災者の皆さんの多くは自助・共助の力で生き延びておられたということです」

■いつ起こるかわからない 少しでも助かる確率を上げて
川口署長は、福知山でも大きな地震が起こる可能性があるため、備えてほしいと続けます。
「京都府の調査によると、三峠断層が震度7の揺れを引き起こした場合、市内の3分の1の建物が全壊、4500棟の建物火災が発生すると予想されています。消防は人命危険の高い火災の対応に追われることになります。さらに、能登半島地震と同じように他地域の救助隊の到着が2、3日後になると考えると、救助活動まで行えない可能性があります。
自らの力で生き残り、地域の皆さんの支援者となるため、就寝する場所に、倒れるような家具は置かないでください。
日頃から訓練や備蓄品の準備を行っていただき、少しでも助かる確率を上げてください」

■福知山に帰ってきて真っ先に家具を固定した
髙橋明美(たかはしあけみ)さん
医療法人 静寿会 渡辺病院

理学療法士の高橋さんは、中能登町の出身で、帰省中に震災に遭い、避難所で一夜を過ごしました。その後、災害関連疾患の予防や対策を目的とするチーム「JRAT(ジェイラット)(日本災害リハビリテーション支援協会)」に加入し、3月には珠洲市に派遣されています。今回は、被災者支援に携わる中で感じたことを伺いました。

○避難所で過ごす1月1日 助け合いの避難所
初詣を終えた直後、車が横転するかと思うほど揺れました。実家に戻ると家具が全て倒れてめちゃくちゃで、余震も怖かったので避難所の中学校へ避難しました。
町職員がいなかったからか、PTAを中心とした応急的な支援本部が避難所運営を行うこととなり、私も参加し支援しました。
避難所の食べ物や毛布は足りませんでした。帰省中に被災し、避難した人が多くいたので、想定外の人数だったのでしょうか。「避難所には十分に備えがある」と思い込んでいたことに気づきました。
夜は、凍てつくような寒さで一睡もできません。避難所の備えを過信せず、自分で食べ物や、福祉介護用品、体温調節グッズの備えをしておく必要性を感じました。

○誰かがすると思っていた 私も行動しなくては
被災者支援は「誰かがしてくれる」と思っていましたが、震災後、「私も行動しなくては」と、考え方が180度変わりました。
JRATに申し込んだのはそのためです。3月には珠洲市に派遣され、身体を動かさないことで起きる生活不活発病の予防体操などを各避難所で行いました。今は、福知山での災害に備えて、災害リハビリテーションを勉強中です。
みなさんも、家具の固定など、できることから地震に備えてください。私は、福知山に帰って真っ先に家具を固定しました。

■被災後2~3日 生き抜くための備えを
笹島浩泰(ささじまひろやす)さん
京都府中丹西保健所 所長

災害関連死(災害で負った傷の悪化や避難生活などの身体の負担からの死亡)を防ぐため、被災地の保健・医療・福祉を管理、人々が普通の生活に戻る支援をする「DHEAT(ディーヒート)(災害時健康危機管理支援チーム)」。DHEATの一員として能登中部保健所で、保健医療福祉復興調整本部の運営に携わった中丹西保健所の笹島所長に、お話を伺いました。

○能登半島地震で支援活動 DHEATとは
私は、京都府DHEATとして能登中部保健所で活動しました。
DHEATは、直接死をまぬがれた人に対して、各部門の専門的な知識を集結させ災害関連死を防ぐことを使命としています。発災直後から刻一刻と変わる被災地の状況に合わせ、10チーム以上の災害派遣チームを指揮し、現地の保健所などの機能が自立するまで活動します。

○直接死を防ぎ 皆さんと大切な人の命守って
もし福知山で大きな地震が起こったら、全国から保健・医療・福祉のエキスパートが集まり、調整本部が立ち上がります。ですので、大切な人や家を失ったり、身体に負傷を負ったりしても、諦めないでください。各派遣チームから情報を集約し、会議などを通して問題解決に向けて迅速に動きます。
しかし、DHEATは、災害関連死を防げても直接死はどうにもできません。発災直後は、自助・共助が大切です。能登半島でも、家具に挟まれていたところを近所の人に助けられた人がたくさんいました。まずは、上から落ちてくるような物をなくすなど、皆さんと大切な人の命を守ってください。そして、被災後2~3日生き抜くための備えを今から始めてください。私たちも一人でも多くの人を救えるよう頑張ります。

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