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自治体の皆さまへ

できていますか?地震への備え

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京都府舞鶴市

1月1日、最大震度7を観測した「令和6年能登半島地震」が発生し、多くの人命や日常生活が失われました。市では1月4日から職員を派遣し、被災地支援を行っています。今回、石川県で被災地を実際に見た職員から、現地での活動内容や地震が起こった時への備えとして何が大事と感じたか、話を聞きました。地震大国といわれる日本では、いつどこで地震が起こるか分かりません。命や暮らしを守るために、改めて地震への備えを確認しましょう。

■石川県への職員派遣数(延べ人数)
3月18日時点
・緊急消防援助隊…96人
・応急危険度判定業務…2人
・応急給水業務…4人
・避難所運営支援業務…15人
・健康管理・衛生管理等業務…1人

■住宅の耐震性が生死を分ける
◇被災家屋の6割が「危険」
被災建築物応急危険度判定業務のため、1月14日~16日に珠洲市で活動しました。
応急危険度判定は、被災した建築物について、その後の余震などによる倒壊の危険性や屋根瓦、外壁、エアコン室外機などの落下の危険性を判定し、人命に関わる二次災害の防止を目的に行います。危険性を赤色(危険)、黄色(要注意)、緑(調査済み)の3段階に分けて判定し、玄関など周囲から見えるところに判定ステッカーを貼ります。派遣期間中は珠洲市チームで計1,088件の建物を見て回り、約6割の建物を「危険」と判定しました。

◇自宅の耐震性の再確認を
現地では、地盤が弱い・瓦屋根が重い・建物が古く耐震性が低いなどの条件が重なった住宅に被害が多く発生していました。さまざまな被災家屋を見る中で、住宅の耐震性の重要性を再認識しました。
下の写真の住宅は、どちらも同じ、地盤の弱い地域のものですが、瓦屋根の古い建物は道路側には壁が少なく、地震に耐えられず1階がつぶれて2階が落ちています。一方で最近建築された建物は耐震性が十分確保されていたため、倒壊を免れました。同じ地盤の弱い地域の建物でも、耐震性によって生死が分かれることもあるのです。
皆さんも、この機会に自宅の耐震性について再確認をお願いします。
※写真は本紙またはPDF版をご覧下さい。

資産マネジメント推進課 佐野 正和 係長

■地震対策のポイント
—耐震診断で自宅状況を把握しよう—
地震による建物の倒壊から命を守るためには、住宅の耐震強化が重要です。特に、昭和56年5月以前に建てられた古い耐震基準の木造住宅は、倒壊の危険性が高いとされています。
まずは耐震診断を受け、自宅の状況を把握することから考えてみませんか。

◇住まいの地震対策
・アンテナはしっかり固定しておく
・屋根瓦やトタン板を点検 危険なものは固定するか、専門業者に依頼して修理・交換する
・柱・梁・土台を補強する
・揺れるものはひもで固定
・カーテンは防炎加工のものにする
・壁や基礎にひび割れなどないか、腐ったり、シロアリに食われたりしていないか点検する
・プロパンガスボンベは上下2本の鎖で壁にしっかり固定する
・非常時持出袋を常備する
・ガラス飛散防止フィルムを貼る
・常時水を貯めておく
・火元に消火器を設置
・筋交いを入れる
・住まいの基礎を補強する
・枕元には懐中電灯・ラジオ・靴・笛などが入った袋を用意する
・タンスなど背の高い家具はL型金具や支え棒で固定する
・扉に留め具をつける
・ブロック塀でなく生け垣にする
※詳細は本紙またはPDF版をご覧下さい。

問合せ:住宅課
【電話】66-1050

■自助・共助の再確認を
◇困難を極めた救助活動
第4・12・16次派遣隊として計3度派遣され、珠洲市大谷町や同市仁江町で活動しました。珠洲市内は多くの家屋が倒壊し、至る所で大規模な土砂崩れ、道路損壊による道路網の寸断が発生するなど想像以上の被害状況でした。
私の任務は、指揮隊長として当時孤立集落だった大谷町や仁江町に入るための先遣調査、同町での安否不明者宅での救助活動の前線指揮でした。活動は余震の発生や土砂崩落の危険などで、何度も緊急退避を余儀なくされるなど、困難を極めました。全力で救出活動を続け、仁江町では堆積した土砂の中から、油圧ショベルや手掘りによる掘削で、安否不明者2人のうち1人を発見しました。しかし、既に亡くなっておられ、もう1人の安否不明者の発見にも至らなかったので、隊員全員が無念な思いでした。

◇普段からの備えが大事
地震は突然起こります。まずは、地震が起きたら自分の身をどのように守るのかを、改めて確認してほしいと思います。そして災害時は、家族同士、ご近所同士での助け合いが不可欠です。いざというときにどう行動するか、どのような物を準備しておくのが良いか、日頃から話し合っておくことが重要です。また、自治会、自主防災組織、会社などで訓練を実施しておくことも大切です。さらに、建物の耐震化、家具の転倒防止や落下防止といった安全対策が必要です。被災地でも倒壊している家と、していない家がはっきりと分かれていました。大切な命を守るために、今できることから備えを始めてください。

東消防署 警備3課 竹原 裕 課長

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