■LGBTQ座談会
◆座談会参加者
(1)吉岡剛彦さん(佐賀大学教育学部教授)
※性的少数者などの人権や差別問題に詳しく、法哲学が専門です。
(2)川原フジエさん(市男女協働参画懇話会長)
(3)水島義彦さん(市男女協働参画懇話会副会長)
(4)平野安希さん(市男女協働参画懇話会委員)
(5)岩﨑克信さん(市総合政策部企画政策課長)
『性的マイノリティが安心して暮らしていける社会になるためには』をテーマに、市男女協働参画懇話会『いまりプラザ』のメンバーが吉岡剛彦さんと座談会を行いました。
座談会では、それぞれの視点や体験などを基に、いろいろな話が展開されました。
今回のテーマについて、皆さんであればどのような意見を持ちますか。座談会での話をヒントに、皆さんも自分にできることなどを考えてみませんか。
▽制服の選択制
(5)岩﨑さん
テーマに沿って、日頃思うことや、疑問に思うことを中心に話してください。
(4)平野さん
身近なところにLGBTQの人はいないと思います。
(2)川原さん
わからないだけで身近にいるかもしれません。5年ほど前、自分が性的マイノリティであることに悩んでいる子どもを持つ保護者と話をしたことがあり、その保護者は「子どもが周囲や学校に対してカミングアウトをするべきかどうか」と悩んでいました。のちに、その子どもは専門の相談機関で助言を受け、カミングアウトをしたことによって心が落ち着いたそうです。
ところで、市内の中学生・高校生の男子で、スカートをはいている生徒を、まだ見たことがありませんが、勇気が出せないでいるんでしょうか。
(5)岩﨑さん
学校によっては、まだ制服が選択制になっていないところがあるようです。
(2)川原さん
女子生徒がスラックスをはいているのは見かけますが、校則で決まっているのでしょうか。
(1)吉岡さん
制服が選択制になっているところは、戸籍上は男性の生徒のスカート着用も認めているはずです。まだ地域の理解が進んでいないため地方だとなかなか難しいですが、都会だと違和感なくスカートを履いている男子生徒がいるという話です。
▽学校での教育
(5)岩﨑さん
思い起こすと私が子どもだったときにも『女子っぽい男子』がいたと記憶しています。その頃に比べて、今は先生たちが細かく配慮しながら教育をしていると感じています。
(3)水島さん
学校では、LGBTQの教育は行われているのでしょうか。
(1)吉岡さん
文部科学省の学習指導要領では、今のところLGBTQについての教育は義務づけられていません。
(4)平野さん
なぜ制服の選択制が広まったのでしょうか。
(1)吉岡さん
それは、現に『性別違和』のある子どもがいるからです。国が、2015年に『性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細やかな対応の実施について』を学校へ通達してからは、学校において配慮されるようになりました。
(4)平野さん
では、子どもたちはどのようにして学ぶのでしょうか。動画などの情報からですか。
(1)吉岡さん
不正確な情報が蔓延しているので注意が必要です。例えば学級図書にLGBTQに関する書籍を置いておけば、関心のある子どもが手に取って正確な情報を得ることが出来ます。
(5)岩﨑さん
うちは子どもが3人いますが、身近なところに性的マイノリティの人がいるといった話は聞いたことがないです。近くにいれば自然と意識が変わると思いますが。
それと、個人差はあるでしょうが、ある一定の時期になれば『性自認としてのジェンダー』に気付くのではないでしょうか。
(1)吉岡さん
トランスジェンダーの子どもの性別違和は早ければ幼少期からで、思春期にはっきりと自覚される例も多いです。どうしても『男の子は男の子らしく』『女の子は女の子らしく』という固定的な観念で服装やしぐさなども自分の気持ちとは反して育てられ「自分となんだか合わない」と意に反しながら成長していくようです。
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