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郷土の文化財

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佐賀県伊万里市

■史跡大川内鍋島窯跡調査事業〜日峯社下窯跡(にっぽうしゃしたかまあと)の調査成果(9)〜

鍋島焼は、有田の岩谷川内で作られ始めて、その後、大川内山に移転したと考えられています。移転時期については、1655年頃とする説と1660年代とする説の2つの説があり、それを知る手がかりが江戸城にあります。
1657年(明暦3年)に江戸で大火が起こり、江戸城も焼け落ちていますが、最近の江戸城での発掘調査で、この大火で被災した初期鍋島が出土しています。
被災した初期鍋島と、まったく同じタイプの製品が日峯社下窯跡から出土すると明暦3年の時点ですでに窯が操業していたことになり、1655年頃とする説が有力となります。逆に、被災した初期鍋島と同じ陶片が、窯跡から出土しなければ、明暦3年以降に操業を開始した可能性があります。
窯跡から出土した陶片〔写真〕と近いデザインのものが被災した江戸城で見つかった初期鍋島の中にもありましたが、形が少し違っていて、全く同じ種類ではありませんでした。そのため、移転した時期については、特定できていないため、今後もさらなる調査研究が必要のようです。
※写真は、本紙をご覧ください。

問合先:生涯学習課文化財係
【電話】22-1262

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