市の人口は、減少傾向で推移している一方、高齢者人口は増加しています。また、市の高齢化率は33パーセントを超えていて、およそ3人に1人が高齢者です。市の高齢化率は、国や県よりも高く、超高齢社会を迎えています。超高齢社会の中で、高齢者の生活を支えていくために、さまざまな介護職があります。
今回の特集では、介護職を志す、敬徳高校生活福祉コースの2年生4人が『高校生リポーター』に就任し、将来の進路先として高い関心を持っている『介護福祉士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士』が働く介護施設などを訪れ、介護のプロを取材しました。
高校生リポーターの目を通して、高齢者の生活を支える介護職を紹介していきます。
皆さんも介護職について、考えてみてください。
◆高校生リポーター
・宮地玲菜(みやちれいな)さん
・安川斗和(やすかわとわ)さん
・藤森愛空(ふじもりあいら)さん
・犬塚悠陽(いぬつかはるひ)さん
■interview1 介護福祉士
日浦将史(ひうらまさし)さん(特別養護老人ホーム 長生園)
「生活全般を支える仕事「ありがとう」の言葉にやりがいを感じます」
Q.介護福祉士の仕事内容を教えてください
介護福祉士は、日常生活を送ることに支障がある高齢者などに心身の状況に応じた介護サービスを提供する介護のスペシャリストです。
国家資格であり、介護に関する専門的な知識・技術を持って働いています。
ふだんは、利用者の食事や排泄、入浴などの生活全般を介助していて、スタッフ4、5人で、利用者20人を担当しています。そのほか、食器を洗ったり、洗濯をしたり、レクリエーションやイベントを考えています。
Q.介護福祉士になったきっかけを教えてください
私の場合は、特に目指しているものがないときに、たまたま紹介された仕事が介護福祉士でした。介護のことを何も知らない状態でこの仕事を始めたので、最初の3カ月間は覚えることが多く大変でしたが、利用者との関係が深まるにつれて面白さを感じるようになり、今では、自分に合っている仕事だと思っています。
Q.介護福祉士の大変なところは何ですか
夜勤です。夜勤は、各フロア一人ずつで担当するので、日中よりも気を遣うことが多くなります。寝付けない利用者や歩き回る利用者を一人で対応するのは大変ですが、利用者の特徴を知ることで対応のしやすさが変わってくるため、日頃から利用者の様子を観察し、コミュニケーションを取るようにしています。
Q.介護福祉士のやりがいを教えてください
利用者から「ありがとう」と感謝の言葉をかけてもらったときです。特に忙しいときに言ってもらうと肩の力が抜けて気持ちが楽になります。
Q.利用者と接するときに気をつけていることは何ですか
利用者を驚かせないため『声や言葉のかけ方』に気を付けています。急に声をかけたり、後ろから声をかけたりせずに、表情が見える正面の位置で声をかけるようにしています。また、言葉のイントネーわるので、柔らかい言葉を使うようにもしています。言葉以外にも身振り手振りを使うようにしていますし、なにより、笑顔で声をかけるように心がけています。
Q.介護福祉士にはどのような人が向いていますか
優しい気持ちで利用者に接することができる人や利用者の立場に立って対応ができる人です。知識や技術は働くことで身に付きますが、それだけではなく、優しい気持ちをどれだけ多く持てるかが大切だと思っています。
■interview2 理学療法士
副島友梨恵(そえじまゆりえ)さん(ケアポート 楽寿園)
「リハビリの効果が出ることや「あなたでよかった」の言葉に力をもらっています」
Q.理学療法士の仕事内容を教えてください
理学療法士は、ケガや病気などで身Q理学療法士の仕事内容を教えてください理学療法士は、ケガや病気などで身体(からだ)に障がいのある人や障がいの発生が予測される人を対象に、座る、立つ、歩くといった『基本動作能力』の回復や維持、障がいの悪化を予防することで自立した日常生活が送れるよう支援する、リハビリの専門家です。
国家資格を持ち、基本動作の練習のほかに、筋肉や関節を動かす『運動療法』や、電気刺激などの物理的刺激を与える『物理療法』によって治療を行います。
医師の指示を受けたり、利用者の病気のことや能力、困りごとなどの課題を把握したりして、利用者一人一人に合ったリハビリを行っています。
Q.理学療法士になったきっかけを教えてください
高校生の頃、水泳競技でケガをしたときにリハビリを受けたことで興味を持ちました。また、大学のオープンキャンパスで話を聞いたときに、リハビリを通して人に携わる理学療法士という職業に魅力を感じました。
Q.理学療法士の大変なところは何ですか
リハビリに対する利用者のモチベーションを維持することです。リハビリが上手く進む人とそうでない人がいます。また、リハビリは効果が出るまでに時間がかかります。リハビリが上手く進まないと気持ちが落ち込む人もいます。そのような場合に、利用者の気持ちに寄り添いながら、それぞれの目標達成に向けて、頑張ってリハビリを続けてもらえるよう、声かけなどを行うようにしています。
Q.理学療法士のやりがいを教えてください
リハビリの成果が出て利用者が元気になったときや、リハビリを終えた利用者に「担当者があなたでよかった」と言ってもらったときです。
Q.利用者と接するときに気をつけていることは何ですか
利用者の性格を見極めながら口調や話すトーンを変えるなど、一人一人に合わせてコミュニケーションを取るようにしています。また、話すときは、利用者と目線を合わせて、利用者の気持ちをくみ取ることを心がけています。
Q.理学療法士にはどのような人が向いていますか
利用者が自立した日常生活を送れるように支援することは、その人の人生に関わってくるため、責任感がある人が向いています。また、利用者の気持ちをくみ取ることができるようなコミュニケーション能力と、どうしたら利用者のためになるか常に考えることができる向上心を持った人です。
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