■「唐津の記念物」(24)
~唐津の史跡・名勝・天然記念物~
◇菜畑遺跡(国指定史跡)
菜畑遺跡は唐津市街の西側に位置する低丘陵端にあり、丘陵の東側に開く開析谷(かいせきこく)の南側斜面を中心に立地しています。
遺跡は昭和54(1979)年、都市計画街路事業に伴う調査で発見され、昭和55~56(1980~81)年に本調査が行われました。調査では、住居跡、土壙墓(どこうぼ)、甕棺墓(かめかんぼ)、水田跡、水路跡、井堰(いせき)、貝塚が確認され、縄文時代晩期~弥生時代前期を中心に、縄文時代前期~弥生時代中期に及ぶ遺跡であることが分かりました。
中でも水田跡は、縄文時代晩期(弥生時代早期)から弥生時代中期にかけて、数期にわたる変遷が明らかになりました。最下層の水田跡は縄文時代晩期後半のもので、炭化した米や木製農具とともに当該期の土器が出土し、現在確認できる日本最古の水田跡として注目を集めました。ほかにも石器、木製農耕具、漁具、装身具や、当時の生活をうかがい知ることができる、動物の骨や植物の種子などの自然遺物も多く確認されています。
現在、遺跡は埋め戻され、保存整備によって竪穴(たてあな)住居や水田が復元されています。また、主に菜畑遺跡の出土資料を展示する「末盧館(まつろかん)」も併設されています。
問合せ:生涯学習文化財課
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