「唐津の記念物」(28)
~唐津の史跡・名勝・天然記念物~
洞泉寺(とうせんじ)のイチョウ(市指定天然記念物)
イチョウは、20種近くの化石が見つかっていて、古生代(こせいだい)ペルム紀(約3億年前~2億5,000万年前)に存在が確認され、中生代三畳(ちゅうせいだいさんじょう)紀~ジュラ紀(約2億5,000万年前~1億5,000万年前)には世界各地で繁殖していたようです。しかし、新生代(しんせいだい)(約6,500万年前~現代)に入るとしだいに数を減らし、現生(げんせい)するものは、私たちがふだん目にするただ1種のみです。ちなみに日本には、中国大陸から13〜14世紀ごろに伝来したと考えられています。
さて、東宇木にある洞泉寺の境内(けいだい)にそびえるイチョウは、樹齢300年以上と推定され、樹高30m、根周り5.75m、枝張り約21〜23mの大きさを誇り「さが名木100選」にも選ばれた大木です。
このイチョウは雌株(めかぶ)で、俗に「チチ」と呼ばれる気根(きこん)が幹や枝から多数垂れ下がっていて、『気根に願(がん)をかければ、乳が出る』と言われています。ただし、イチョウの気根は、雌株だけでなく雄株(おかぶにも見られることがあり、イチョウの大木の中には、雌雄(しゆう)に関係なく、気根が垂れ下がるものがあるようです。
洞泉寺の本尊(ほんぞん)は、篠栗地蔵菩薩(ささぐりじぞうぼさつ)で、眼病と安産にご利益(りやく)があると信仰を集めていて、イチョウもこの地蔵菩薩のご利益にちなんで、洞泉寺に植樹されたと伝えられています。
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