・教育長 末次 利明
◆『スポーツや部活動が自分の将来のために…』
少しずつ朝夕の気温が下がり、過ごしやすい秋らしい季節になってきました。今回のコラムはスポーツや部活動について考えてみます。
7月から始まった部活動の『地区中体連やコンクール』、8月には『九州大会』や『全国大会』に参加し、子どもたちは大変よく頑張っていました。残念ながら、地区大会で負けたチームもありましたが、負けた悔しさや勝った喜びが必ず将来への力や思い出になると思います。猛暑の中でも練習を重ね、子どもたちの頑張りは大変素晴らしいものでした。また、それを支え指導していただいた先生方や地域の皆さん、保護者の皆さんには、心から感謝いたします。ありがとうございました。
スポーツや部活動が自分の将来のために役に立つからやっているという考えの子は少数で、好きだからやっているという子が多いのではないでしょうか。
しかし、スポーツや部活動で、いろいろな技術を身につけたり、チーム内で協力したりすることが、これから大人になる上での準備であると同時に、そこには日常的に生活していく中で必要な要素もたくさん含まれています。
チームに所属して団体で活動するということは、この先の社会に出て行く上での基本となる部分がたくさんあります。先輩や後輩がいて、部長、副部長がいます。監督やコーチといった管理する立場の人もいます。そして、そこには自分とは違ったいろいろな考えを持った人がいます。
また、勝利するとか、いい成績を残すという目標に向かいチームが一丸となって活動します。しかし、そこにはチーム内でレギュラーやベンチに入るための競争があります。逆に競争の無いチームは、チーム力は上がらないとも言われます。そして、競争だけでは目標に向かうのは困難です。協力と助け合いもチーム力を高める大切な要素です。そして、大人になって仕事をしていくには協力も競争も大事になります。また、先輩の経験やアドバイスをいかに素直に聞いて、自分に活かしていくか。部長と副部長は、みんなをまとめて仕事をしていくにはどうしたらよいかということにも通ずると思います。
チームで協力していくことや試合や練習のための準備、段取り、後片付けなどは、協調性を養うことに繋がります。先輩は後輩たちにチームの方針や準備、片付けの方法などを分かりやすく伝えます。後輩は伝えてもらったことを理解すると共に、お互いに自分を成長させてくれます。
社会に出ても、先輩や上司から受け継ぐ仕事や決まり事など教わることをいかに理解して学ぶかが大切になります。また同じ社内や部署では協力することも重要になります。
夏の甲子園で優勝した佐賀北高等学校野球部元監督の百﨑敏克さんが次のような言葉を残されています。
『甲子園はあくまでも目標であって、目的じゃない。それだけが目的なら、日々やっていることが意味をなさない。目的は野球を通じていろんなことを学び、人間的に成長することである。』
子どもたちは、スポーツや部活動の中で楽しかった思い出や嬉しい経験、悔しい経験など、いろいろな経験をして大きく成長していきます。市教育委員会は、学校や家庭と一緒になってそれをしっかりと支援していきたいと思います。
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