◆1[播磨〕 金物のまちで職人に学ぶ 切れ味を生む鍛冶の技と工夫(今月の表紙)
―ひょうごフィールドパビリオン 2025年大阪・関西万博に向けたSDGs体験型プログラムを紹介―
金物のまちとして約400年続く三木市には、機械化が進む中、大工道具や日用品を手作業で製造する昔ながらの鍛冶屋も30軒ほど残っています。田中一之刃物製作所もその一つで、祖父や父の代は鎌、私の代になってからは包丁をメインにしています。鉄をベースに、刃先だけに高価な鋼を張り合わせる伝統的な刃物作りは、少ない資源で最大の切れ味を生み出すために先人たちが知恵を絞って編み出した日本の誇るべき技術です。体験ではまず、1,200℃の炉から取り出した熱々の鉄の棒を金づちやベルトハンマーで鍛錬して包丁へと成形していく様子を見てもらい、希望者には同様の工程に挑戦して「鉄は熱いうちに打て」の語源を体感してもらいます。また、土壁に格子窓が付いた典型的な三木の鍛冶屋の工場内も案内。一人でも多くの人に、土地に根付いた鍛冶文化や包丁の本物の切れ味に触れてもらいたいです。
(田中一之刃物製作所代表 田中誠貴さん)
・田中さんは日本で数人しかいない手作り包丁の職人。海外のファンも多く、最近は現場を見たいと工場を訪れる人も増えているそう。
・鍛冶、研ぎ、柄作りなど工程ごとに分業化され、産地として成長してきた三木金物。同社でも各プロフェッショナルと連携して仕上げています。
・成形したての包丁。ここから表面を削って、たたいてという作業を繰り返し、滑らかな切れ味を生み出します。
・築約60年の工場内。削りの作業場は包丁の表面がよく見えるよう採光に優れた格子窓に面しているなど理にかなった工夫が随所に。
◇金物のまち三木で包丁職人から習う鍛冶屋体験
場所:田中一之刃物製作所(三木市別所町石野875)
定員:1人~5人程度
料金:1人6,000円
※包丁を自分で作る場合は3回通う必要あり(費用は要相談)
申込み・問合せ:希望日の2週間以上前にEメール、ファクスで三木市縁結び課へ
【電話】0794-89-2303【FAX】0794-82-9755
◆2[淡路〕 島で受け継がれる風流踊 秋祭りで大踊と小踊を奉納
南あわじ市の阿万地区に伝わる「阿万の風流大踊小踊」は、毎年9月に行われる亀岡八幡神社の秋祭りで豊作を祈願して奉納される伝統芸能です。神前で雨乞いし、願いがかなったことへの願ほどきとして始まったと伝わります。大踊は室町時代、小踊は江戸時代中期と、起源の異なる2種の踊りを、保存会に所属する地域住民がおはやしと歌に合わせて交互に行います。大踊は終始同じ衣装でゆったりと、小踊は演目により衣装を変えながら軽快に踊るのが特徴です。通しで30分ほどの行事を、今年は9月15日(日)に実施します。2022(令和4)年、ユネスコ無形文化遺産にも登録された伝統の踊りを見に来ませんか。
(阿万風流踊保存会 佐渡達史さん)
・ユネスコ無形文化遺産登録を記念して昨年、境内で披露。大踊は白木綿の着物に黒帯、紫のたすきの衣装で行います。
・黄色の着物での踊りでは、夜に花を摘んでいる様子を表現するなど、小踊は演目によって衣装や小道具も変わります。
問合せ:南あわじ市社会教育課
【電話】0799-43-5232【FAX】0799-43-5332
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