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歴史探訪 シリーズふるさとを見直そう

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兵庫県丹波市

■郡役所からの通達(学校編)
神戸大学大学院人文学研究科 井上 舞

国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている「類聚現行氷上郡役所令示全書(るいじゅうげんこうひかみぐんやくしょれいじぜんしょ)」には、明治12年から21年にかけて、氷上郡役所が出した通達が収載されており、当時の郡役所がどのような通達を出していたのかを知ることができます。同書の通達は、庶務・勧業・学務など9つの通達に分類されています。
学務関係は、教職員の勤務や待遇にかかわる規則など全25通あり、その中に、明治20年5月に戸長役場と町村立小学校あてに出された「小学校職員職務心得」が掲載されています。
この心得は、教員の出勤や欠勤、出張などの規定を記した「勤務」、学籍簿や学校日誌の取り扱いを定めた「表簿」、生徒の品行採点の基準を示した「品行採点」、素行不良の生徒を戒める方法を示した「生徒訓戒」の四章、全42条で構成されています。
「品行採点」の項によれば、当時生徒には1日に50点の「品行点」が与えられ、素行不良があると、減点されていました。減点の規定ですが、例えば、理由のない遅刻やみだりに校内を走り回る者、弁当以外の食べ物を持っている者など、11項目に違反した場合は1点から10点の減点。教科書などを忘れたり、就学時間内に勝手に校門外に出るなど8項目に違反した場合は5点から20点。瓦や石を投げる、落書きをするなど7項目に違反した場合は10点から30点。さらに、掲示物や学校から貸し出された物品を、汚したり破損させる、往来人を妨害する、虚言を吐く、人の悪口を言うなど7項目に違反した場合は、20点から50点の減点とされています。
実際にこの規則に従って採点された品行簿などが残っていれば、さらに詳しく当時の学校教育の一端を知ることができるでしょう。

問合せ:社会教育・文化財課(山南庁舎内)
【電話】70-0819

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