総面積の75%にあたる37,113ヘクタールを森林が占める丹波市。森林は木を育てる以外にも、水資源の確保や土砂崩れの防止、生物多様性の保全、キャンプや森林浴、景観や学びの場など、さまざまな機能があります。さらには二酸化炭素を吸収し地球環境を保全する「大切な資源」でもあります。
市では、森林が持つ多面的機能を高め、大切に育てられた森林を活用していくため、将来の森林のあるべき姿や管理の方向性を描いた「丹波市森林(もり)づくりビジョン」を平成24年9月に策定し、森林の整備を進め、今年8月に改定しました。
■改定の目的
策定から10年余りが経過する中、日本各地で豪雨災害が多発し、丹波市も2度の大災害に見舞われました。その経験を踏まえて人々の防災意識は高まり、森林が持つ「山地災害を防ぐ機能」に対する注目も高まってきました。
また、カーボンニュートラルの実現に向け、令和6年度からは森林環境税を活用した取組が始まり、これまで以上に市が主体的に森林づくりにかかわっていくことが求められています。
市では、森林を取り巻く社会的背景の変化に対応した林業施策を展開するため、森林づくりビジョンを改定しました。
■基本理念と基本方針
森林づくりビジョンでは、市民、森林所有者、林業事業体や行政が、将来の森林のあるべき姿を共有し、一体となって取り組むための基本理念を掲げています。
また、その実現に向けて、加古川と由良川の2つの源流域や、森林にかかわる多様なプレーヤーなど、丹波市ならではの強みを生かした基本方針を定めています。さらに、基本方針に基づく様々な取組を「丹(まごころ)の森林(もり)づくり」として共有しつつ、市民と林業関係者、行政が一体となって事業を進めていきます。
■めざすべき将来の森林のあるべき姿 丹波市森林づくりビジョン[丹(まごころ)の森林(もり)づくり]
◇基本理念
森林の多面的機能を持続的なものとするため、地域とともに考え、地域の特性を活かした安全で活力ある水源の森林づくりを進める
●森林の整備に関する基本方針
・源流の森林づくり
加古川および由良川の源流域を持つ地域として水源を守る森林整備と、渓流沿いの森林管理に取り組み、環境保全と生物多様性の保全につながる「源流の森林づくり」を進めていきます。
・里山保全の森林づくり
森林の適正管理による災害に強い森林づくりを進めながら、市民活動団体の取組を普及し、市民と一体で災害予防と住環境の向上につながる「里山保全の森林づくり」を進めていきます。
・経済循環の森林づくり
適切な森林管理と再造林による資源循環を図り、持続的な森林経営を実現するために、新しい技術を導入し、効率的かつ低コストで森林施業ができる環境を整え、「経済循環の森林づくり」を進めていきます。
●森林資源の活用と森林に関わる人づくりに関する基本方針
・森林資源の利用拡大および地産地消の推進
森林資源の需要拡大に向けた取組を進めます。また、地域の林業事業体や木材関連事業者と連携し、森林資源の地産地消につながる仕組みづくりを推進し、さらなる森林資源の利用拡大を図ります。
・協働の輪を広げる仕組みづくりの推進
林業普及推進員による情報発信や森林環境譲与税を活用した普及啓発事業により、情報発信や森林への理解を深める普及・交流活動を行い、森林にかかわる人の輪を広げていきます。
・森林づくりを支える人づくりの推進
林業従事者の労働環境の向上や人材育成への支援と、自発的に森林整備に参画する人づくりに取り組み、森林づくりにかかわる人が一体となって活動する仕組みづくりをめざします。
問合せ:農林振興課(春日庁舎内)
【電話】88-5029
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