住み慣れた場所で、自分の力でいつまでも元気に過ごしていきたい。
病気などさまざまな原因で介護が必要になったときには、介護保険サービスなど社会全体で支える仕組みがあります。しかし、できれば自立した生活を送りたいと思いませんか。
「もう年だから」「おっくうだから」といって体を動かさない、外出しない、食事を抜くなどはありませんか。このようなちょっとしたことの積み重ねで、体に痛みが出る、転びやすくなる、認知機能が低下するなど日常での困りごとが増えていきます。
介護予防とは「介護が必要な状態になることをできる限り予防し、自立した自分らしい生活を送ることができるようにする」ことです。
「自分は元気だから関係ない」ではなく、元気なうちから介護予防に取り組みましょう。
◆元気な高齢者は「自分でやらな」という意欲があります
年をとってもいきいきと自立した生活を送るために、大切なことは何か。佐用中央病院の理学療法士として30年間勤めている反橋浩二さんに「介護予防」のアドバイスを聞きました。
◇元気な高齢者には共通の特徴があります
理学療法士は、病気やケガなどで体の機能が低下した人にリハビリテーションを行い、自立した生活をできるようにサポートをします。
私が診ている人のほとんどは高齢者ですが、佐用町は元気な人が非常に多いです。その理由を考えたときに、共通していることは″目標”や″夢”を持っていることだと感じています。
「田んぼや畑が気になる」「旅行に行きたい」「子どもに迷惑をかけたくない」など、理由はさまざまですが、こうした意欲や意思を強く持っている人の方が、病気の治りや筋力の回復が早いです。
◇フレイル予防※を始める効果的な年代は
最近耳にする「フレイル予防」という言葉は、カタカナのせいか、まだ馴染みがなく、認知度は低いですが、とても良い言葉です。以前は「虚弱状態」という言葉自体がマイナスイメージだったのですが、「フレイル予防」という言葉を使うようになってから、プラスのイメージに変わってきました。
高齢になってから健康を意識し、生活改善や運動をする人が多いですが、筋力の衰えは40歳代から始まっています。ですから、「フレイル予防」は、この頃から始めることが一番効果的です。
おすすめは、町でも毎年行っている体力テストに参加し、自分自身で体力年齢を知ることや、最低でも一日6千歩は歩いて、体力を維持していくことが大切です。
◆今さら聞けない ※『フレイル予防』とは
フレイル予防とは、高齢者が加齢による身体的、精神的、社会的な衰え(フレイル)を防ぎ、健康な状態を維持するために行う取り組みです。適度な運動や栄養管理、社会参加などを通じて、身体機能や認知機能を維持し、要介護状態になるリスクを軽減することを目的としています。
※介護予防は、フレイル予防と生活習慣病予防をあわせたものです。
◆これが私の「介護予防」
◇集まることも楽しみのひとつ いきいき百歳体操
おもりを使った誰でも取り組みやすい筋力トレーニングです。町内42 か所で行われており、近所の人と話をする場にもなっています。
・春名 刢(さとし)さん(上三河)
やっぱり元気でおれるのが一番。百歳体操でみんなと顔を合わせて話ができるのがいい。
体の調子も良くなるし、みんな来たらいいと思う。
◇目標は実年齢より20歳若く 体と心の健康体操
町主催の健康講座から自主活動グループになり、29の教室があります。体操を続けることでいきいきと充実した生活をめざしています。
・井口 紀子(としこ)さん(力万)
体操をしているおかげで姿勢が良くなり、健康に過ごせています。今でも、半日ずつですが週に6日元気に働いています。
◇食を通じた健康づくりを いずみ会
「私たちの健康は、私たちの手で」を合言葉に、食を通じた生活習慣病予防や食育を進めるボランティア活動をしています。
・野村 智里(ちさと)さん(栄町)
参加者のみなさんの笑顔や感謝の言葉がとても励みになっています。これからもバランスの良い食事を心がけて元気に活動していきたいです。
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