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子育て中、ついかっとしてたたきそうになったり、気分が沈んで子どもを無視しそうになったりした経験はありませんか?
多くの人が抱える子育ての大変さ。子どもへの虐待はどこの家でも起こり得ます。大切なのは一人で抱え込まないことです。
■虐待したくないのに…
児童虐待というと深刻な例を思い浮かべますが、思わずたたきそうになったり、大きな声で叱ったりということはないでしょうか。
子どもを虐待しようと思う親はいないでしょう。しかし、虐待につながるきっかけはさまざまです。子どもは親が思うとおりには動いてくれません。食べないし、汚すし、泣いてほしくないところで泣き出します。親にいつも余裕があるわけではありません。イライラが募ることもあります。
児童虐待の通告状況を見ると、虐待を受けた子どもは5歳以下の未就学児が最も多く約4割となっています。言うことを聞かない子どもへのいら立ちのせいかもしれません。
また、身体的な暴力だけでなく、大声で怒鳴ったり無視したりして精神的なストレスを与える「心理的虐待」が多いのも現状です。
児童虐待の要因は一つではありません。例えば、保護者自身の体調不良や子どもの発育・発達に対する知識の不足などが考えられます。子どもがかんしゃくを起こしたり、よく動き回ったりして手がかかるということもあるでしょう。また、経済的な不安や、職場・地域での付き合いがうまくいかないといった事情があるかもしれません。これらさまざまな要因が重なって児童虐待が起きるといわれています。
保護者はストレスを抱えながら育児をしています。24時間、休日のない子育ては心身ともに疲れてしまうこともあるでしょう。今は核家族化が進み、地域の人とのつながりも薄く、周囲に悩みを打ち明けられる人がいない保護者も多いようです。
親なんだからと頑張りすぎず、少しでも困りごとや悩みがあれば家庭支援課に相談してください。保健師や公認心理師、家庭児童相談員が、ストレスを少しでも解消できるかもしれません。振り上げたその手は、子どもを抱き締めることもできるのですから。
○令和4年度虐待通告の種別
心理的虐待…46%
ネグレクト…21%
身体的虐待…19%
性的虐待…1%
養護…13%
※養護:保護者が家出、死亡、入院などで児童を養育できなくなった状態。
○令和4年度虐待通告を受けた子どもの年齢
0歳~5歳…39%
6歳~11歳…32%
12歳~17歳…28%
18歳以上…1%
■虐待の4つのタイプ
○身体的虐待
殴る、蹴る、たたく、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせるなど。
○性的虐待
子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る、または触らせるなど。
○ネグレクト
家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置するなど。
○心理的虐待
言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で夫婦げんかをするなど。
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