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病院通信

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兵庫県多可町

■内分泌疾患・甲状腺のホルモン異常について
多可赤十字病院 内科・総合診療科 辻竜介
私たちのからだの中では、さまざまなホルモンがからだを正常な状態に維持するために働いています。このホルモンが通常よりたくさん出てしまったり、あるいは少ししか出なくなる病気のことを「内分泌疾患」といいます。ホルモンを分泌する器官には、脳の一番下にある「下垂体」、喉のところにある「甲状腺」、腎臓の近くにある「副腎」などが代表的です。
甲状腺の病気としては、甲状腺ホルモンが過剰になる「バセドウ病」や、甲状腺ホルモンの分泌低下もしばしば認められる「慢性甲状腺炎(橋本病)」などが一般的に知られています。
ただ、病気の診断と分類は複雑で、ここにすべてを記すことはできないのが実情です。甲状腺ホルモンが過剰になると、動悸がしたり、発汗が多くなったり、たくさん食べても痩せてしまったりします。逆に甲状腺ホルモンが少なくなると、脈が遅くなったり、体温が下がって寒がりになったり、人によっては気分が落ち込んだりします。高齢者の場合だと認知症のような症状がみられることもあります。
そこまではっきりとした症状は現れないものの、甲状腺ホルモンの値は正常範囲内にもかかわらず、甲状腺にホルモンを出すように促す甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値が高い場合を、潜在性甲状腺機能低下症と言います。国の調査では、健康な人の4~20%に認められるといわれており、特に女性に多く、年齢が上がるにつれて増加する傾向があります。治療をするべきかどうかについて、いまも議論がありますが、TSHが持続的に高い場合や、妊娠を希望する女性、妊娠されている女性の場合は治療の対象になります。
気になる症状のある方は、担当の医師に相談してみてください。
参考:(一社)日本内分泌学会

問合せ:多可赤十字病院
【電話】32-1223(代表)

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