■大腸がんの予防について
○高い日本の大腸がん死亡率
日本は、以前からピロリ菌関連の胃がんに対する予防意識が強い国です。検診などでピロリ菌検査やバリウム検査、内視鏡検査を受けたことがある人も多いと思います。市内でも胃がん検診が普及し、予防効果も十分です。
一方、大腸がんは、欧米に比べて、日本はり患・死亡率が相対的に増加し、問題となっています。
以前、米国の大腸がんのり患・死亡率は極めて高かったのですが、大腸がん検診と内視鏡検査でのポリープ切除により、大腸がんが減ったといわれています。
米国の論文では、大腸内視鏡検査で見つかったポリープを切除する事で、大腸がんによる死亡率が53%低下するとの報告がされました。
また、40歳代など若い時期からの検診の重要性も指摘されています。
日本でも検診として便潜血検査が普及しています。しかし、予防としては不十分なようで、その主な要因は便潜血検査の受診率の低さ(対象者の20%)や、異常があった際の大腸内視鏡の受診率の低さ(便潜血陽性者の60%)だと指摘されています(大腸肛門病学会調べ)。
○40歳代から検診や治療を
40歳代の若い時期から、大腸がん検診や大腸内視鏡検査、ポリープ治療を受けることが大切です。大腸がんは予防ができますので、積極的に検診を受けましょう。
(市医師会前田篤史)
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