■知っていますか?病院の役割
市立総合医療センターの令和5年度の病床稼働率は92.5%。さらに高くなると、救急患者などの病床を必要とする患者を新たに受け入れることが難しくなってしまいます。救急患者を安定して受け入れるためには、病床は「皆の共有財産」という認識を広める必要があります。
ここでは医療機関の役割と、病状に応じた医療機関を選ぶことの重要性について説明します。
◆急性期病院
救急医療や手術など、高度な技術・医療機器が必要な病気やけがの治療・検査を行い、24時間体制で患者の状態の早期安定化をめざす病院です。発症後14日間程度の重症な患者や緊急度が高い患者の治療を行います。
◆慢性期病院
症状は安定しているものの、引き続き医療的な処置が長期間必要な患者の入院に対応する病院です。
慢性的な症状の悪化予防や病気の再発予防、体力維持をめざし、長期にわたる治療を行います。
◆回復期病院
急性期治療を終えた患者や、療養中に状態が悪化した患者に、継続的な治療とリハビリテーションを行い在宅復帰・社会復帰をめざす機能と、急性期病院に入院する状態ではない軽症の患者を受け入れる機能を持つ病院です。
◆診療所
入院施設を持たないか、ベッド数が19床以下の医療機関です。入院しなくてもよい病気やけがの診察、長期の通院、予防接種や健康管理など、身体の不安をまず相談するところです。地域の医院、クリニックなどがこれに当たります。
◇役割が異なる医療機関
皆さんは風邪をひいたら、胃に違和感があったら、どのような医療機関に行きますか。医療機関にはいくつかの種類があり、役割が異なります。
医療機関は主に、急性期病院、回復期病院、慢性期病院、診療所に分類されます。そして、県の地域医療構想ではどの機能の病院をどの程度整備する必要があるかが、示されています。
急性期病院は、重症な患者の状態の早期安定化に向けて、24時間体制で医療を提供する病院です。市立総合医療センターはこれに当たります。
回復期病院は、治療によりある程度状態が安定した患者に、在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する病院です。市立川西病院の敷地南側にできた川西リハビリテーション病院はこれに当たります。
慢性期病院は、状態は安定しているものの長期にわたり療養が必要な患者に対して医療を提供する病院です。
診療所は、地域のクリニックなどです。外来診療が中心で、かかりつけ医としての役割を担っています。
◇病状に応じた医療機関選びを
「入院するなら最新の医療機器が充実しているところがいい」と思うのは当然のことです。しかし、緊急の治療を必要としない時は、最新の医療機器よりも、身近な助言やリハビリの方が有効です。それぞれの医療機関にはその役割に特化した設備やスタッフが配置されているため、病状にあった医療機関に行くことでよりよい治療が受けられます。
◇地域全体で病床を使う
病状が落ち着いたら、急性期病院から回復期・慢性期病院や通院治療へ。そして急性期病院には、高度な治療を必要とする人が新たに入院する。この流れを大切にし、限りある病床、設備、スタッフでより多くの患者を救うために、地域全体で病床を活用することを心掛けましょう。
◆市立川西病院があった場所は今。
◇川西リハビリテーション病院
現在、市立川西病院の建物は解体工事中ですが、その敷地南側では、医療法人せいふう会が川西リハビリテーション病院を運営しています。川西リハビリテーション病院は回復期病床を120床保有。市内の回復期病床が大幅に増えたことで、市全体の医療サービス向上につながっています。
また、平日午前は内科と小児科の外来診療を、休日は内科応急診療を行っています。市立川西病院移転後の医療不足を補い、北部地域の人が少しでも安心して医療を受けられるように体制を整えています。
問い合わせ:保健・医療政策課
【電話】072-740-1136
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