■ピロリ菌感染の有無を知る
○胃がんの原因となるピロリ菌
日本では、年間10万人以上が胃がんにかかり、年間約4万人が胃がんで亡くなっています。胃がんの原因のほとんどはピロリ菌感染です。ピロリ菌は、胃粘膜に長く住み着いて、胃粘膜を傷つけ、胃炎だけでなく、胃潰瘍や胃がんの原因となります。ピロリ菌の除菌は胃がんのリスクを低下させ、その効果は感染している期間が短いほど高くなります。ピロリ菌が感染して胃炎になっても症状はほとんどありません。そのためピロリ菌感染の有無を調べていない人が多いのが現状です。
ピロリ菌は、血液や便、呼気などを採取して調べる種々の検査法があり、人間ドックなどの健診や市販の検査キットなどで調べることができます。また、胃内視鏡(胃カメラ)検査で胃炎が認められる場合は、保険診療でピロリ菌の検査を受けることができ、ピロリ菌が陽性の場合は、抗菌剤の内服による除菌治療を保険診療で受けることができます。ピロリ菌は、抗菌剤の内服で99%除菌することが可能です。
○胃がん検診の役割
胃がん検診は、胃がんの早期発見が第一の役割ですが、胃がんのリスクが高い胃炎の発見にも役立ちます。市胃がん検診では、市民は35歳から胃バリウム検査が、50歳からは胃内視鏡検査が無料で受けられます。胃がん検診で胃炎と判定された場合は、ピロリ菌の検査について消化器内科など医療機関で相談してください。
(市医師会篠村恭久)
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