■総合計画ができるまで
3年かけて計画を作る第6次総合計画の策定に当たり、3年前から準備を進めました。
コロナ禍で「市長と語るかわにしMeeting」や「かわにしミライ会議」など対面型の企画の実施が危ぶまれましたが、時勢を見ながら行うことができました。
併せて、市内事業者や学識経験者などで構成される「総合計画審議会」を、令和3~5年度にかけて合計10回実施。計画策定について、さまざまな視点で議論を重ねました。
また、多くの人に知って関わってもらいたい。そんな思いから、気軽に意見交換や投票(いいね)を行えるウェブサイト「mygroove(マイグルーヴ)かわにし」も開設しました。総合計画ができるまでに市が取り組んだことについて、詳しくは、2ページに掲載の2次元コードで確認してください。
○市が実施した対面型の企画
《かわにしミライ会議》
令和5年1~3月に実施。できるだけ多くの市民に関わってもらいたいという思いから無作為で2,000人へ招待状を送付し165人が参加。
まちのありたい姿を実現するために、誰がどんなことを実践していけば良いのかなど、参加者同士でアイデアを出し合った。
《市長と語るかわにしMeeting》
令和4年6~7月に市内14カ所で実施し、265人が参加。テーマは「最近、あなたが笑顔になった出来事」「みんなが笑顔になるために、川西市がどのようなまちであったらいいと思いますか」。
みんなが笑顔で暮らせるまちをめざし、市民と市長がまちのありたい姿を語り合い、思いを共有した。
■INTERVIEW
新川達郎 Niikawa Tatsuro
同志社大学名誉教授。専門分野は行政学、地方自治論、公共政策論。
平成24年から市総合計画審議会の会長を務める。
○まちの「心地よさ」を市民の手で未来に
川西市とは約20年ほど前から総合計画などの審議会に加わり、計画の策定に携わってきました。
総合計画は、市民のためのまちづくり計画でもあります。川西で暮らす一人一人が、「どんなまちであってほしいか」を考え、行動できる計画であることが大切です。
審議会では、市民参画の取り組みで出てきた意見をしっかり受け止め、市民の皆さんの視点や思いをくみ取ることを大切にしました。また、前向きで活発な楽しい議論に刺激を受けました。
もちろん、計画を策定することがゴールではありません。今回は、全国的にも珍しく「子どもの幸せ」を大きく掲げています。この軸がぶれないように、川西の未来を見据えた活動が必要です。
まちづくりでは、人口獲得競争が議論になりがちですが、少子高齢化や人口減少は避けては通れません。みんなで描いた都市像の実現に向け、さまざまな立場の人が思いを共有し、取り組むことの先にこそ、人がひかれるまちの「心地よさ」と持続可能性が生まれるのだと思います。
総合計画が、市民の皆さんにとって川西の未来をジブンゴトとして考えるきっかけになることを願っています。
■私たちが大切にしたい思い
総合計画では、めざす都市像の実現に向け、川西に関わるあらゆる人と共に大切にしたい思いを4つ示しています(左参照)。
川西で感じられる心地よさを次世代に引き継げるよう、年齢や立場を超えて一緒に考え、取り組んでいきましょう。
(1)まず、「子どもの幸せ」から始めます
子どもたちの笑顔は、世代を超えたにぎわいや活力を地域にもたらします。
私たちは、笑顔あふれる子どもの成長を通じて、あらゆる市民が幸せを感じられるまちをめざします。
(2)人に寄り添い、お互いの個性を認め合います
誰もが、地域の一員として誰かを支えたり、フォローできる役割を少しずつ持っています。
私たちは、各々のペースでまちに関わりながら互いを尊重し、多様な個性を認め合えるまちをめざします。
(3)未来に責任を持ち、持続可能な仕組みをつくります
このまちを、未来の子どもたちにしっかりと引き継ぐ責任が私たちにはあります。
私たちは、人口減少社会や自然災害などを見据え、既存のまちのあり方を柔軟に見直し、持続可能なまちをめざします。
(4)日々の暮らしで感じられる幸せを大切にします
一人一人に安らげる居場所や充実した時間があることで、このまちで過ごす時間がかけがえのない思い出になっていきます。
私たちは、「やってみたい」ことを自らチャレンジでき、それを応援し合える温かいまちをめざします。
■これからの川西を「ジブンゴト」で考える
○社会変化に対応した参画と協働のまちづくり
これまで、市では人口減少や少子高齢化社会に対応するために、市民をはじめ、自治会やコミュニティ、ボランティア、NPOなどと連携して、それぞれの持つ能力を最大限に発揮しながら取り組む、参画と協働のまちづくりを進めてきました。
○ジブンゴトとしてまちづくりに参加する
一方で、社会の変化が著しく、市民それぞれの価値観も多様化する中で、これまでまちづくりの中心を担ってきた自治会やコミュニティの担い手不足が課題となっています。
その中で、改めて市民一人一人が市や地域のことを「ジブンゴト」として捉え、主体的に政策過程に参加することや、まちづくりのプレーヤーとして参画することが大切です。
○心地よさを感じ住み続けたいまちへ
さまざまな市民が関わり合うことで、川西の「心地よさ」が磨かれ、「川西に住んでみたい」「川西に住み続けたい」という思いにつながると考えています。
そのため、市は、市民や地域団体などのプレーヤーがまちづくりに参画しやすい環境を整えることが必要です。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>