■「合理的配慮」とは? Vol.2
○合理的配慮がされている例を見てみましょう
前回、障がいのある人の要請に基づいてバリアを取り除くこと(必要な手立てをとること)が「合理的配慮」と述べました。具体的な場面で考えてみましょう。視覚障がいのあるCさんは白杖をついて1人で外出しています。飲食店に入り、店員に「メニューを読み上げてほしい」と依頼しました。読み上げられた内容を聞き、Cさんは何を頼むかを決めて注文しました。これが、「合理的配慮がなされた」ことになるのです。
店員はCさんを「特別扱い」や「優遇」したわけではなく、他のお客さんと同じように「注文」ができるように、必要なことをしたのです。もし、店員が面倒に思って、Cさんの依頼を断ったら、そもそも注文ができません。自分はこの店に来てはいけないのか、好きな料理が食べられないのかと思ってしまうでしょう。時には店が忙しい、店員の数が少なくてすぐに対応できないなどの事情があるかもしれません。その場合は、Cさんに事情を説明して、待ってもらえばよいのです。ちゃんとコミュニケーションをとることもなく放置したり、拒絶したりしてはいけません。(障害者差別解消法では、障がいのある人からの「合理的配慮の依頼」を正当な理由なしに断ることは、「差別」に当たることがあると定めています)。
合理的配慮は、障がいのある人を特別扱いすることではなく、平等な権利を保障することなのです。
(公財)世界人権問題研究センター研究員 松波めぐみ
問合せ:人権推進多文化共生課
【電話】072-740-1150
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