~感性豊かな人・まちづくりをめざして~
■この一年間を振り返って 人権の視点から
早くも師走となりました。年末の風物詩となっているのが、「今年の漢字」です。世相を表す漢字一字が京都の清水寺で揮毫(きごう)され、毎年その様子がニュースで放映されます。今年の漢字は何になるのでしょうか。
ここでは、人権尊重という視点からこの一年間を振り返り漢字一字で表してみます。
◇命[戦争で失われる多くの命]
ウクライナの戦争開始から2年近くが経過していますが、いまだに終わりは見えません。長期化とともに被害は広がるばかりです。
さらにはイスラエルとハマスの間でも大規模な戦乱が勃発しました。双方の攻撃により犠牲者は膨大な数となっています。特にガザ地区の惨状は目を覆うばかりです。
「祖国のため」「正義のため」という大義を掲げての大量殺人。それが戦争です。人類は愚かな戦争をいつまで繰り返すのでしょうか。人命を奪うことは最大の人権侵害です。
◇性[LGBT理解増進法 施行]
LGBT理解増進法(通称)は、今年6月に施行されました。LGBTという言葉はかなり定着しています。本年度の住民研修でもDVD「バースデイ」を視聴いただき、性の多様性について研修していただいています。女性であれ男性であれ、LGBT等の性的少数者であれ、誰もが人として大切な存在です。
◇児[こども基本法 施行]
こども基本法は本年4月1日施行で、同時に「こども家庭庁」が発足しました。児童虐待・いじめ・子どもの貧困・ヤングケアラー・教育格差・学校等での暴力やわいせつ行為…。子どもたちは多くの問題に直面しています。妊娠・出産の段階から大人になるまで、切れ目のない支援が必要です。こども基本法の理念のもと、子育てのしやすい社会を実現しなければなりません。
市川町では本年、「家族手帳~みんなで楽しく子育て・孫育て~」を作成しました。
◇差[ジェンダーギャップ指数]
世界各国の男女格差を数値化したのがジェンダーギャップ指数です。本年度、日本は146カ国中、125位という過去最低順位となりました。それは「政治」分野の格差が大きいためです。「政治」指数は、国会議員の男女比・閣僚の男女比・過去50年間の首相の男女比から算出します。日本はこれらが極めて低いです。「経済」分野での女性管理職の率もまだまだ低いです。
我々のまわりではどうでしょう。まずは家庭内や地域内での男女共同参画から見直しましょう。課題は多いはずです。
◇邪[ジャニーズ性加害の問題]
ジャニーズ事務所・故喜多川氏による性加害が明らかになりました。被害者は当時未成年であった少年たちです。彼らの多くは一生消えないトラウマ(心の傷)を負っています。少年たちの「抵抗したら仕事がもらえない」という不安に付け込んだ卑劣な行為です。
メディアにも問題があります。性加害があることを認識していても、巨大なるジャニーズ権力への忖度(そんたく)から報道を抑えてきたのでした。今、このようなビジネス面での人権問題に目が向けられています。
近年は企業における「ビジネスと環境」の取組が進んできました。さらに2024年には「ビジネスと人権」での取組が進展することが望まれます。
■お知らせ
◇人権週間
期間:12月4日(月)〜10日(日)
人権ポスター人権標語の展示
市川町文化センター・ロビーにて
◇人権啓発映画会「破戒」
日時:12月16日(土)13時30分開会
場所:市川町文化センターひまわりホール
※参加無料
共催:神崎郡民主化推進連絡協議会
※詳しくは12月9日(土)の新聞折込の映画会案内チラシをご覧ください。
問合せ:生涯学習課 人権教育啓発係
【電話】26-0001
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