感性豊かな人・まちづくりをめざして
◆敬老の日の発祥
敬老の日は、もともとは9月15日でした。国民の祝日の法改正により、2003(平成15)年より9月の第3月曜日となりました。
広報紙右の画像は、八千代コミュニティプラザの玄関脇にある石碑です。「敬老の日」提唱の地と記されています。
敬老の日の発祥は、市川町の隣町、多可町の八千代区です。戦後の混乱期の昭和22年、多可郡野間谷村の村長、門脇政夫氏が敬老会を9月15日に開いたことが最初です。子どもたちを戦地に送り、精神的に疲れ果てていた親たちの苦労に報いたかったと、当時の門脇村長は語っています。対象は55歳以上とし、村中のオート三輪を動員して村の公会堂に招待。飲食と余興でもてなしました。そして、野間谷村独自に9月15日を「としよりの日」としました。社会に貢献してきた高齢者に敬意を表す日として設定したのでした。
この敬老精神は県下に広がり、昭和25年には兵庫県が「としよりの日」を、そして昭和41年には国が、国民の祝日として「敬老の日」を制定しました。
野間谷村は、八千代町を経て現在は多可町となっています。
※多可町ホームページより
◆高齢化率(65歳以上)
野間谷村では最初、55歳以上が「としより」とされていました。現在では55歳ならば、まだまだ若手扱いですね。現在の高齢者の定義は65歳以上です。
65歳以上の高齢者が全人口にしめる割合を高齢化率といいます。
▽高齢化率(兵庫県市町別)令和6(2024)年2月1日現在
上は今年2月時点での兵庫県で高齢化率の高い市町ベスト8です。市川町は上位にランクします。49年前(昭和50年)の市川町の高齢化率は11.4%であったのが、現在では41.8%にまで上がっています。そして、今後も確実に、この数値は上がり続けます。
◆高齢者の独居率
4年前の令和2年、国勢調査で高齢者の独居率が発表されました。65歳以上の高齢者のうち、一人暮らしの割合を示すものです。
▽高齢者独居率が高い市町村(近畿)2020(令和2)年調査
▽高齢者独居率が低い市町村(近畿)2020(令和2)年調査
上の表は、近畿地方での独居率の高いところです。紀伊山地の村に大阪市が続きます。高齢者独居率の高い地域は、山間部の僻地と大都会とに二極化しています。
下の表は独居率が低いところです。近畿で10%を切るのは、先に紹介した兵庫県多可町と、高松塚古墳で有名な奈良県明日香村の二つだけです。市川町の順位は分かりませんが、平均的な数値の14%です。
多可町の独居率が低いのは、町の施策の「あったか家族多世代住宅助成事業」によりますが、その背景には町民の敬老意識があると思われます。多可町には、敬老の日発祥の地としての「敬老文化」が息づいているのでしょう。
市川町は「人権文化の誇れる町」です。町民一人一人が意識して「人権文化」を日々の暮らしに根付かせましょう。
※写真は広報紙18ページをご覧ください。
問合せ:生涯学習課 人権教育啓発係
【電話】26-0001
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