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新温泉町文化会館だより

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兵庫県新温泉町

■「新温泉町人権啓発指導員研修会」を開催しました。
5月30日(木)、新温泉町文化会館にて人権啓発指導員を対象にした研修会を開催しました。
本年度の学習テーマは「ネット社会における部落差別と人権~誰もが一人の人間として尊重される社会の実現をめざして~」、啓発ビデオは「大切な人」を視聴しました。

▽啓発ビデオの内容
現代社会におけるインターネットは利便性が高く、SNSや動画投稿サイトなどを通して自由に意見表明することができるのが特徴です。
一方で、インターネット上では他者からの評価が自身の評価と誤認し、部落差別・外国人差別といった偏見や差別を助長するような情報を発信する行為が見られます。ときに投稿者自身も第三者から誹謗中傷を受けることがあり、現在深刻な人権問題となっています。
インターネット上の一部の情報が、誤った認識や差別意識を助長すること、表現の自由を逸脱した許されない行為であると気づく大切さ、差別されている当事者が訴え続けるという負担を強いる社会構造の実態について理解するとともに、差別のない社会、誰もが一人の人間として尊重される社会の実現を目指すことを目的としてこのドラマは制作されています。

▽ビデオを視聴した後、鳥取市人権情報センター主任研究員の田川朋博さんのお話を聞きました
「区別」と「差別」のちがいは何でしょう?「区別」とは、ちがいによって分けること。また、そのちがい。例えば兵庫県人と鳥取県人、髪が長い人と髪が短い人など。
「差別」とはなんでしょう。「差別」とは、区別に優劣や上下関係、尊卑などの価値づけを行い、その価値づけによって、社会的な待遇や個人的な関係において公正でない取扱いをすることであり、「差別」とは、○○を理由に人権と自由の享有と行使を妨げ、害するものと言える。
「部落差別」とは、被差別部落に居住する人、そこにルーツのある人に対して、日常生活や結婚、就職などの場面において、現在もなお差別されているという現代の差別問題である。目で見て分かるわけではない。本当にそこにルーツがあるのかどうかに関わらず、そうレッテルを張ってしまえば誰でも差別を受ける可能性がある。誰にどのようにレッテルを張るかは差別する人(世間の人)次第であり、自分が差別される対象になるかもしれない。
インターネットの特徴は、(1)誰でも投稿ができる(2)名乗らずに投稿ができる(3)転載と保存が容易(4)ネットワークは世界規模などがある。そうすると、モラルが下がり、差別的な書き込みが行われやすい。書き込みが拡散すると削除が困難になり、被害の救済が難しい。
今、インターネットによる人権侵害が多発している。インターネット上の部落差別がある。全国の被差別部落の地名をインターネットで公表し、全国各地の被差別部落の街並みを撮影して「部落探訪」と題して投稿、地名や個人宅、車のナンバーや墓石などがインターネットにさらされるといったことが問題になっている。
令和3年東京地裁一審判決では、現住所や本籍地の公開はプライバシーの侵害に当たるとして、リストの公開禁止と出版の差し止め、損害賠償を命じた。「差別されない権利」を法的に保護された権利として認めた。
令和5年東京高裁判決では、「人は誰しも、不当な差別を受けることなく、人間として尊厳を保ちつつ、平穏な生活を送る人格的な利益を有する」として「差別されない権利」の侵害を初めて認めた。
インターネットでさらす行為は、差別する意図があろうがなかろうが、さらされた側はその行為により大きな傷を受ける。つまり、意図せずに行った行動が差別になってしまうことがある。そして、情報を見た側は、間違った知識を植え付けられ、そのことに対する知識がないため、差別に加担してしまう場合がある。
正しい知識や感性を身につけるために必要なことは何か?
答えは「学ぶこと」である。何を学ぶのか?それは、インターネットの使い方を学び、個人の人権課題について学ぶことである。何が差別に当たるのか、どこに差別があるのかなどについて学ぶことが最も大切なことだと私は考える。

問合せ:文化会館
【電話】82-3328

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