毎年9月1日は、1923(大正12)年に関東大震災が起きたことなどにちなみ、「防災の日」と定められています。国は、千島海溝(十勝・根室沖)周辺で今後30年以内に東日本大震災と同規模かそれ以上の大地震が発生する確率を7~40%と評価しています。
こうした災害から命を守るためには、日頃からの備えを積み重ねていくことしか方法はありません。町民のみなさんも今一度災害への備えについて考えてみませんか?
●「南海トラフ地震注意情報」の発表とその影響
去る令和6年8月8日、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震を受け、国は初めて「南海トラフ臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。この情報により、南海トラフ巨大地震が想定される地域では、旅行控えや食料の買い占め、イベントの中止などの影響が広がり、さらにSNS上でのデマの拡散も問題となりました。
●北海道・三陸沖後発(こうはつ)地震注意情報の概要と注意点
さて、様似町に甚大な被害をもたらすことが想定されている日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震においても「南海トラフ臨時情報」に類似したものとして、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」があります。この情報は、令和4年12月に運用が開始されました。
日本海溝(日高・三陸沖)や千島海溝(十勝・根室沖)では、過去にマグニチュード7.0以上の地震が発生した後、さらに大きな地震が続けて発生した事例が確認されています(※)。このため、国はこのエリアでマグニチュード7.0以上の地震が発生した場合、地震による被害を少しでも軽減するため「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表し、住民に対して日頃の防災対策の再確認などを促します。ただし、この情報が発表された場合でも、巨大地震が続けて発生する確率は百回に一回程度とされており、必ず巨大地震が発生するわけではないことに注意が必要です。
※先に発生するマグニチュード7以上の地震に対して、続けて後から発生する地震を「後発地震」といいます。
■普段からいざという時の備えを
●「北海道・三陸沖後発(こうはつ)地震注意情報」が発表されたら
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表された場合でも、巨大地震の発生確率は百回に一回程度と不確実性の高い情報であることから、事前避難などは求められません。あくまでも通常の生活を送りながら、いつ巨大地震が発生しても迅速に避難することができるよう、発表後一週間を目処に次のような対応を行いましょう。
▽日頃の備えの再確認
・非常持出袋の再確認
・避難場所・避難経路の再確認
・家具の固定の再確認
・家族との連絡手段の再確認
▽すぐに避難するための対策
・子どもや高齢者と同室で就寝
・すぐに避難できる服装で就寝
・枕元に靴を置いて就寝
・非常持出品の常時携行
▽身の安全の確保
・崩れそうなブロック塀に近づかない
・なるべくがけに近い部屋で過ごさない
●冷静な対応を
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は地震予知ではなく、この情報が発表されたとしても必ず巨大地震が発生するわけではありません。
日本は世界有数の地震多発国であり、この情報の発表の有無に関わらず、いつ・どこで巨大地震が発生してもおかしくないという心構えで平時から備えを行っておくことが重要です。
「南海トラフ臨時情報(巨大地震注意)」による混乱を自分事として捉え、今一度各ご家庭の防災対策の見直しをお願いします。
■様似小学校で「一日防災学校」、防災意識が高まる
8月27日(火)、様似小学校で「一日防災学校」が行われ、児童たちは地震や津波に対する防災対策について学びました。
1・2年生は防災カルタ、3年生は防災スリッパ作成、4年生は段ボールベッドの組み立てを行いました。また、5・6年生は室蘭地方気象台の職員による講話を受けた後、津波発生装置を使用した体験学習を行いました。講話では、津波警報が発表された際には「とにかく高くて安全な場所へ逃げることが重要」と強調され、津波の危険性について詳しく説明がありました。
参加した児童たちは「津波の怖さがとてもわかりやすかった。もっと準備しないといけいないと思った。」と感想を述べ、防災意識が高まったことを実感していました。
この「一日防災学校」を通じて、災害への備えの重要性を再認識し、今後も家庭や学校での防災対策を積極的に進めることが期待されます。
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