(2)観光の振興
観光の入込においては、コロナ禍前の状況に回復しつつあり、特にインバウンドは今冬大きく増加するものと見込まれています。
昨年は、本町の持続可能な観光地としての取り組みが評価され、グリーンデスティネーションズの「シルバーアワード」の表彰を受け、世界標準の観光地としての礎を築くことができました。今後は、さらに上位のアワードを目指すとともに、「観光振興ビジョン」に基づき各種の取り組みを進めます。また、これまで国に要請してきた「デジタルノマド・ビザ」が創設されることとなりましたが、期間が6か月と短いため、さらにその期間が長期化されるよう要請を継続していきます。
ニセコ観光圏については、構成する倶知安町、蘭越町とともに連携して取り組みます。また、地域振興イベントへの支援、温泉の利用促進、自転車を活用した夏季の魅力アップなど、今年度もニセコ地域や羊蹄山麓などの関係自治体や民間組織と連携しながら事業を進めます。
スキー場の安全利用対策については、雪崩事故防止対策である「ニセコルール」の運用をニセコ雪崩調査所、各スキー場や国立防災科学技術研究所などの関係機関と協力して実施してきているところです。町では、雪崩調査所の人材育成を支援するなど、積極的に冬山の安全対策を進めており、今後とも「ニセコルール」が持続発展していけるよう、倶知安町や各スキー場、関係機関などとともに、雪崩調査所に対して支援を強化していきます。
「道の駅ニセコビュープラザ」の再整備については、現在、国土交通省において検討されている高速道路の線形、インターチェンジの位置などが明らかになった段階で、機能の向上も検討のうえ、整備着手についての判断をする所存です。
(3)宿泊税の導入
昨年12月、持続可能な観光地としての環境を整えるための財源として、「宿泊税」を導入するための条例を町議会において可決いただきました。現在、総務省との協議を経て、総務大臣からの同意を得る手続きが進んでいます。今年度は、宿泊税の使途の具体化と事業の実施に努めるとともに、システム導入支援を必要に応じて行います。
(4)商工業の振興と労働対策
商工業においても慢性的な人材不足により、事業活動に困難が強いられています。昨年度は、スキマバイトサービスの「タイミー社」と連携協定を締結し、本町の人材不足解消の一助として活用してきました。また、昨年度から移住促進施策と連携して国が制度化した「特定地域づくり事業協同組合制度」の導入に向けた調査を開始しており、今年度の導入を目指して取り組みます。
さらに、今年度は町内事業者が従業員確保を目的に行う取り組みに対して、1事業者最大200万円の補助を行い、従業員の確保を支援していきます。
商工会会員数は、令和5年12月末日現在で226事業者となり過去最高を記録しています。商工会会員のみなさまの活動が地元を元気にする起爆剤と考え、小規模起業者を継続支援し、多様な事業者の育成による地域の活力の向上を図ります。
本年も引き続き、企業誘致活動を積極的に推進し、地域内で不足する事業体の確保や域内経済循環の持続性を基本的な方針として、その拡充を目指していきます。
また、綺羅カード会が実施する子育て支援事業への補助を継続し、町内でのコミュニティの醸成と消費の拡大に努めます。あわせて、地域経済を循環させる核の一つとして「地域通貨の利活用の拡大」を進めます。
消費者対策では、不当な勧誘などから町民のみなさまが苦しむことがないよう、国の財政支援を活用し、本町を含む近隣7町村で設置している「ようてい地域消費生活相談窓口」の機能がより発揮されるよう、相談活動の拡充と啓発活動を推進します。
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