◆第3回岩石教室を開催しました!
3年前から始まった夏休みの子ども向けイベント、岩石教室を今年も夏休み(7月28日)に実施しました。講師はお馴染みの佐藤鋭一准教授(北海道教育大学・旭川校)。佐藤准教授の専門分野は、地球内部の熱い塊、マグマについて深く研究する岩石学です。今回、参加者には「巨大噴火博士になろう!」をテーマに、普段経験できない野外調査から室内作業まで、佐藤准教授監修のもと、火山研究者が実際に行なっている一連の流れを体験してもらいました。
当日はオリエンテーションの後、町バスで美瑛町美沢にある三笠山へと向かいました。そこで待ち受けるのは約100~200万年前に起きた巨大噴火、カルデラ噴火により噴出し、十勝カルデラから長い距離を流走してきた大規模な火砕流堆積物です。高さ31m、幅約50mの巨大露頭、全体的に白っぽく見えますが、「何がそう見せているのか?」「よく観察するとキラキラと光る鉱物が石英以外にも入っている?」「この噴出物はどうやってここまで流れてきたのか?」「その証拠はどこにあるのか?」など各々の視点で観察しながらスコップで採取し、袋に入れて美瑛町役場へ持ち帰りました。
室内作業は超音波洗浄機を使った試料の洗浄から始まります。洗浄した試料をホットプレートで乾燥させている間に、噴煙柱崩壊型の火砕流を再現する水槽実験を行い、参加者は火砕流の発生メカニズムについて理解を深めました。さらに火砕流堆積物の元となったマグマの特徴、鉱物について佐藤准教授から解説を受け、参加者は自分で採取し、室内処理した火砕流堆積物の試料を実体顕微鏡で観察しました。
参加者からは、「楽しかった」「来年もやってほしい」との声が上がり、今回の教室がこの地域の成り立ちについて学ぶ一つのきっかけづくりになれていればと願うばかりです。
※今回訪れた露頭は私有地であり、特別な許可を事前にとっています
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