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保健だより

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北海道中川町

■[今月のテーマ]軽く頭を打っただけでも要注意!慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)
慢性硬膜下血腫は、頭部の打撲などのあと、頭蓋骨の下の脳を覆っている硬膜と脳の間に、じわじわと血液がたまって血腫ができる病気です。(※詳しくは、本紙またはPDF版をご覧ください。)
血腫が大きくなり脳を圧迫することで、
・頭痛
・嘔吐
・尿失禁
・認知症のような症状(物忘れ、ぼんやりする、反応が鈍い)
・手足の麻痺
・意識障害
など様々な症状が現れます。

血腫はゆっくり大きくなっていくので、頭を打った2〜3週間後、長いときは数カ月後の忘れた頃に症状が現れてきます。
コツンと軽くぶつけただけでも起こりうるので注意が必要です。

▼どんな人に多いの?
▽高齢者
加齢とともに徐々に脳が萎縮し、頭蓋骨と脳の間にすき間ができて、軽く頭を打っただけで脳がゆすられ、脳の表面にある細い血管が損傷して出血しやすくなります。

▽抗血栓薬を飲んでいる人
動脈硬化や心房細動の治療のため、抗血栓薬や抗凝固薬など血液をサラサラする薬を服用している方は、出血が止まりにくくなります。

▽お酒をたくさん飲む人
酔うと転倒しやすく、頭を打っても覚えていないなど、リスクが高くなります。

その他、幼児の転倒後や、スノーボード中の頭部外傷後に発症する若者もいます。

▼どんな治療をするの?
「穿頭(せんとう)ドレナージ術」という手術を行います。
脳を圧迫する血腫を取り除くため、局所麻酔で頭に穴をあけてチューブを入れ、たまった血液をゆっくり排出させます。
排出後、血腫がなくなると、圧迫されていた脳は自然と膨らみ元に戻ります。
頭痛や手足の麻痺、認知症のような症状は徐々に改善されます。
入院期間も1週間ほどです。
患者さんの状態によっては、手術をせずに、止血剤や漢方薬を使いながら経過観察を行うこともあります。

▼再発することもある
慢性硬膜下血腫は、約1割の方で再発すると言われています。

▼予防方法は?
頭を打たないよう転倒に注意することが一番です。冬の期間は道路が滑りやすいので、注意して歩きましょう。
血液をサラサラにする薬を内服している高齢者は、特に転倒には注意が必要です。
頭を打ったときは外傷や変化がなくても、数週間から数か月後に症状が現れることがあるため、本人だけでなく、家族など周囲の方も頭痛、しびれや麻痺、認知症のような症状などが現れていないか気をつけることが大切です。
慢性硬膜下血腫は早く見つけて治療を受ければ治る病気です。
急に認知症のような症状が現れた場合はこの病気が隠れている可能性があり、治療によって症状が改善するので、慢性硬膜下血腫は「治る認知症」ともいわれています。
しかし、手足のしびれや意識障害(呼びかけたり肩をたたいても起きないなど)が続くと命に関わることもあります。
いつもと様子が違うと感じる症状があれば、脳神経外科の受診をおすすめします。

問い合わせ先:住民課幸福(しあわせ)推進室 保健師
【電話】7-2813

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